週半ばに東京で公演があるとなかなか見に行くのが難しい。植村さんの卒業公演に向けても戦々恐々としている。ライブビューイングをT・ジョイ京都にて観た。
「自分たちは未来しか見ていない」というスタッフの発言を井上さんが紹介していたが、確かに過去の曲を演じながらも未来を見せていた。皆さんの今のJuice=Juiceに対する自信と愛を感じる。工藤さんは最後の挨拶の締めに「愛!」と叫んでいた。
セットリスト
- プライド・ブライト
- Next is you!
- プラトニック・プラネット
MC - Dream Road ~心が踊り出してる~
- FUNKY FLUSHIN'
- ノクチルカ
- Va-Va-Voom
MC (ブラックバタフライ組) - ブラックバタフライ / 植村 段原 井上 工藤 松永
- 初めてを経験中 / 有澤 入江 江端 石山 遠藤
- POPPIN’ LOVE
- TOKYOグライダー
- 生まれたてのBaby Love
煽り 石山 松永 - 明日やろうはバカやろう
- 選ばれし私達
- STAGE~アガってみな~
- Juicetoryメドレー
イジワルしないで 抱きしめてよ
「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
微炭酸
私が言う前に抱きしめなきゃね
カラダだけが大人になったんじゃない
Never Never Surrender
CHOICE & CHANCE
Magic of Love - Wonderful World (2023 10th Juice Ver.)
- ボン・ヴォヤージュ~想いの軌跡~
ENCORE - Familia
- デビュー曲メドレー
全部賭けてGO!!
イニミニマニモ~恋のライバル宣言~
プラスティック・ラブ
Future Smile
がんばれないよ
好きって言ってよ
ポップミュージック
Fiesta! Fiesta!
ロマンスの途中
MC - 未来へ、さあ走り出せ!
メドレーを1曲ずつカウントすると36曲。「時間を有効に使う方が勝つぜ」なタイトなセットリストだった。MCも武道館で追加された箇所はほとんどなくて、冒頭以外はダンストラックやビデオの上映などもなく、とにかく歌い踊っていた。結果的に最後のMCでリーダーたちが喋る口になっていなくてしどろもどろだった。
メドレー
今回のツアーには本編とアンコールそれぞれに日替わり曲があって、Juicetoryの収録曲と、各メンバーのデビュー曲。武道館ではそのうちどれを演るのかなと思っていたら、メドレーにして全部やっていた。恐ろしい。Twitterの動画で石山さんの発言がミュートされていたのはメドレーのことを言っていたらしい。
#日本武道館 公演まであと5️⃣日!#石山咲良 #遠藤彩加里 の2人からメッセージ🌸🍎
— Juice=Juice (@JuiceJuice_uf) 2023年12月1日
動画最後まで見てあげてください🤕
コンサートの詳細はこちら↓https://t.co/X3Clo0bTIS#juice武道館#10thjuice#juicejuice pic.twitter.com/1oH5JL61ZL
メドレーは当然曲のおいしいところを繋いでいるので間奏も最小限で非常に濃かった。つばきファクトリーの合間を繋ぐトラックが入ったりセリフの演出が入ったりするのに比べてシンプルに繋いでいたが、それも歌以外の時間を詰めるためだと思われる。
アドリブ
割とどの曲でも、段原さん松永さん有澤さんあたりを中心にメロディを変えたり歌詞を変えたりといろいろと遊んでいた。
「FUNKY FLASHIN’」は特に準備して変化をつけていたのがよくわかる。普段はアドリブをするイメージのない江端さんや遠藤さんまで「Yeah」的なのを入れていて感動したし、会場も盛り上がっていた。こういう機会に楽しさを味わうと自主的に入れていこうという感じになるんじゃないだろうか。…と思っていたが、ブログを読む感じ、結構本当にアドリブだったり、サプライズだったりしてお互いに驚いていたみたい。この曲がアドリブ祭になっていたのは皆さんのテンションが上がってきた結果のようで、遠藤さんはやるかどうか迷っていたところ他のメンバーのパフォーマンスに背中を押されたらしい。自分の目が節穴だと実感するが、ともあれ良い話だ。
https://ameblo.jp/juicejuice-official/entry-12831662924.html
その場だけの表現に対して咄嗟に喝采を送れることはメンバーに対するレスポンスとして本当に大事で、ハロー!のファンの方々はそこを躊躇なくできるのが素晴らしいと思っている。定番のコールも盛り上がるのには大事だが、生き物としてコンサートを作り上げている感じがする。
「プラトニック・プラネット」「Va-Va‐Voom」「Magic of Love」あたりのフェイクもそれぞれの人が変えていた。「生まれたてのBaby Love」の松永さんと段原さんのハモりとか痺れた。
それにしても、工藤さんのアレンジには映像でさえいつも泣かされている。「プラトニック・プラネット」はそこを変えてくるかという驚きがあったし、「生まれたて」は挑戦というより実践というか、堂々としたものだった。
「がんばれないよ」では、最後のところで段原さんを筆頭にいろいろやっていたと思うのだが思い出せない。この曲は初回限定SP盤でソロ歌唱の映像があって、最後にメンバー各々に色々なフェイクが入っていたのでそういう布石はあった曲だ。
アドリブの白眉だったのが、アンコール最後の曲を終えてからの場面だった。ステージ上を歩きながら会場の客に挨拶をして行く時は、最後の「未来へさあ、走り出せ!」のinstrumental がかかる訳だが、そのトラックに乗せて松永さん有澤さんあたりをはじめとして思い思いのスキャットというかハミングというかをしていた。そこに井上さんのボイスパーカッションも加わって非常に楽しい雰囲気だった。井上さんはアドリブがきかないようなことを言っているができる人だ。
気になった曲
- 一つ目のメドレーではイントロだけ流れた「ロマンスの途中」、そんな処理があるかいと思っていたらアンコールのデビュー曲メドレーでオリジナルの方がパフォーマンスされた。編集もオリジナルの方がしやすそう。
- 「Wonderful World」冒頭のコーラスが綺麗だった。FRUITS×JUICEとかちかっぱ祭に比べて良かったのはモニターの環境の違いだろうか。なんとなくクリスマス感もありますよね。
- メドレーの「プラスティック・ラブ」の冒頭は3flowerだが、歌い方にデビュー時からの進化を見せつけようという気概を感じた。
- 「イニミニマニモ」の冒頭部分がデビュー曲とあって、有澤さんと入江さんのところがさくりんごになってて嬉しい。
- 「ポップミュージック」はメドレーの中では長めで、ワンハーフくらいたっぷりと演じていた。ステージ上の移動など演出上の都合もあるだろうが、KANさんが亡くなったこのタイミングではしっかりと歌いたいという演出側の思いもあったかもしれない。
- 「未来へ、さあ走り出せ!」石山さんがライブ中に涙しているのは初めて見たかもしれない。遠藤さんはもうぼろぼろと涙を流していて、段原さんも感極まっているようだった。たぶんそれぞれに全然違う思いがありそうだが、このコンサートだったりJuice=Juiceだったりに対する想いの強さは伝わってくる。ステージ上で円陣をするのは他のグループでは見たことあるがJuice=Juiceがしかも楽曲中にやるとは思わなかった。ストレートにグループへの愛が表現されていてその衒いのなさが感慨深かったし、同時に銀テープが発射されたのもこれまた直截な演出で良かった。今のJuice=Juice、今日のコンサートのテイストに合っていた。
気になった方々
- 植村さんの繊細な表現と安定感。よく卒業発表してから卒業の時期にかけて綺麗になったとかオーラが増したとかそういうことを言われるが、そして多分に受け取り側の問題な気もするのだが、それでも最近の植村さん、そして今日の植村さんの神々しさというのは否定しようがない。まだ24歳というこの時期にここまで人間として円熟の域に達していいのかちょっと心配になる。個人的にはイベントや特番等でソロで歌っている時よりも、Juice=Juiceの中での植村さんのパフォーマンスに、迫力も美しさもより強く感じる。
- 段原さんは気合が前面に出てくる人だ。今日は全てのパートが120%だった。声が崩れるぎりぎりのところを攻めたような高音パートはスリリングだ。もうやり尽くした感のあるFiesta!は若干リズムを崩してたっぷり歌うという新たな展開を見せていた。圧巻だったのは「MoL」の最後のフェイクで、いろいろ変えていたけれどももう思い出せない。今まで高木さんが歌っていた音源に割と忠実に歌っていた段原さんがその軛から脱した瞬間を見たようで、快哉を叫んだ(心の中で)。
- 井上さんはとにかくどんな箇所でもしっかり決めてくれるしどんな歌い方もできるので気がつくとそこら中が井上さんの歌割になっている感があるし、決してくどくならない、そして見せ場となるとギアを上げて迫力をもたらしてくれる。自分を客観的に見る力とか、コントロールする力があるように思う。「ボン・ヴォヤージュ〜」は井上さんの曲だと言っていいくらいだが、今回も自由自在で心地よかった。この曲がYouTubeでオフィシャルに聴けないのはいかがなものか*1。
- 松永さんは最後の挨拶で、さらに良い景色をみないとかをついてきてくださいねー的な普段あんまり言わないことを言っていた。なんかアイドルみたいだった、アイドルだけど。川嶋さんにふれることも忘れておらず、おみふに私が1番期待している的なことを仰っていた。松永さんはとにかく無理なく難なく、全てを決めてくる。誰と組んでも別な味わいがあって、ユニゾンも見逃せない。挨拶から逆算かもしれないが、やはり全体的に気合がいつも以上に感じた。
- 入江さんの声の厚み。元々力強さがあったが力みみたいなのがなくなってきている。誰とも違う独特の癖を持った素敵な声だと思う。
- 江端さんの曲によって声色を変えているところ。歌割が増えているのもそうだが、より印象的な、重要なパートを任されがちなところにスタッフからの信頼を感じる。前回武道館の時もめちゃくちゃ上手くなってると思ったが、今回もまたステージを上がった感じがした。井上さんから江端さんという流れが最近のJuice=Juiceには本当に多くて、声の相性も良いなんて素晴らしいことだ。一方で「Wonderful World」で自分の歌割の直前まで井上さんに絡んでいてすごいなと思っていたら完全に出遅れていたり、別の曲では松永さんのソロパートを映すカメラに乱入したりと見どころを作っていた。今日は14センチほど切った髪を披露するタイミングでもあり、デビュー時と同じくらいになっていて逆に成長を感じさせた。
- 石山さんの狂気を孕んだ煽りは武道館でも無事に発揮された。そっちー!と叫びながら客席の四方八方を指しながら歓声を上げさせた。
- 遠藤さんは「ボン・ヴォヤージュ」でも泣いていた。私もこの曲のメロディと歌詞には涙腺を刺激される。
衣装
前半の衣装はこのコンサートが初披露のものだった。最近赤い衣装の率が高くて混乱するが、今回は赤と黒のもので、全体的に装飾的な生地が使われていたり首周りにアクセサリーが使われていたり豪華だった。今の担当の方になってからJuice=Juiceの衣装のイメージが定まってきていて、それがグループのイメージにもあっているのが好ましい。江端さんはキャップをかぶっていて短く切った髪にも似合っていた。松永さんと石山さんはパンツスタイルにジャケットを羽織っていて、特に石山さんのジャケットは後が燕尾服みたいになっていたのが印象的で、案外ダンスするのにも様になっていた。
衣装が全て見られる写真ありがたい。
10月にも同ツアーを観覧したのだけれども、皆さんがその時から明確にレベルアップしていて、11月に合宿でもしたのではないかと疑いたくなる状態だった。メドレーを含めて曲数も多く、1曲1曲の熱量も非常に高い濃密なコンサートだった。特殊な場位置と楽曲の構成を覚えて数日のリハーサルで完成させてしまうJuice=Juiceの皆さんには尊敬の念しかない。もちろん習得したことを実践する体力や集中力も。今日のコンサートは10人全員が最後まで疲れを感じさせなかった。
10周年とは言え、その期間の後半はどんどんメンバー構成が変化していて、今いるメンバーはここ数年に加入した方がほとんどだ。5人体制がある種の完成を見てきた最初の武道館以降、個人的に妄想していたJuice=Juiceの向かう先は、今日見た高度かつ自由なパフォーマンスだったように思う。固定されたメンバーの中での成熟ではなく、変化の中でこの境地に達していることに驚き、自分の浅はかさを恥じつつ賞賛を贈りたい。本当に素晴らしいグループだ。世間の大多数がアイドルに求めていることがこれなのかはわからないけれども。Juice=Juiceには昔から独特の品位のようなものがあって、わかりやすい派手さはないのだけれどじわじわと魅力が伝わってきてこちらの体に染み込んでくるような感じがする。少なくとも私はそういうものが好きなのだ。
映画館で観ながら幸福感に包まれていた。人を幸せにする職業にこれからも誇りを持って携わってほしいなと思う。
とりとめもなく書いたが宮崎さんのブログが的確すぎて、自分の思ったことを全部書いてくれた感じがあった。さすがの初代リーダーだ。
*1:ハロステにて今回のが公開されました