この世のもの

見たものと考えたこと

Juice=Juice 10th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~10th Juice〜 於日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

今回は1次で申し込み忘れて、2次で大阪が残っていなかったということで名古屋を申し込んだ。日本特殊陶業市民会館は2015年の冬のハロコン以来だと思う。駅に直結している記憶があったのにちょっと歩いたので齟齬を感じたのだが、前回は地下鉄で来たんだな、たぶん。

 

2次だけど1階だった、後方で割と中央より。最近視力が落ちて来ていて肉眼だと表情が分からない。不便なので弱い度数の眼鏡を自分で合わせようかと思う。

上の5人の皆さんは特に安定していて、もう上手くいくかすごく上手くいくかの違いみたいな感じなので、積極的に褒めるのが難しいくらいだ。工藤さんはダンスを見ると相変わらず暴れまくっているのだが歌は収めるべきところに収めている。そして彼女ならではの高音の伸びを獲得している。

10周年ツアーということだが、まあいつの曲をやろうが10年の間には入っているわけで特別なことをする必要もないのかもしれないが、いくつか趣向があった。

  1. ロマンスの途中
  2. イジワルしないで 抱きしめてよ
  3. 裸の裸の裸のKISS
    MC
  4. プラトニック・プラネット
  5. Future Smile
  6. 全部賭けてGO!!
  7. 微炭酸
  8. シンクロ。
    MC
  9. チクタク 私の旬/有澤、入江、江端、石山、遠藤
  10. 背伸び/工藤、松永、有澤、入江、石山
  11. SEXY SEXY/植村、段原、井上、工藤、松永
  12. 愛のダイビング/植村、段原、井上、江端、遠藤
    MC
  13. あばれてっか?!ハヴアグッタイ
  14. GIRLS BE AMBITIOUS! 2022
  15. 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
  16. CHOICE & CHANCE
  17. Never Never Surrender
    MC
  18. Goal~明日はあっちだよ~
冒頭3曲にメジャー1〜3枚目シングル曲

このあたりはダブルA面と言いつつやはりこの曲がA面曲だなという感じがする。このまま次は「風に吹かれて」かなと思ったら違った。「ロマンスの途中」はどの時期にもやっているので初期のイメージもだいぶ薄れてきている。「イジ抱き」は松永さんのローズクォーツも馴染んできた。さくりんごって初期の宮崎さん植村さんの「ねぇねぇ隊」にイメージが重なるところがある。年齢も身長も近いし。「裸の裸の裸のKISS」はこのメンバーでは初めてだろうか。宮崎さんと遠藤さんの「ONE PLUS ONE」を見すぎてそんな気がしなくなっていた。もともとは歌割を金澤高木宮本で回していた曲だけれども、こうやってみなさんに回すと10人でも見どころが多くなる。単純にカノンの振り付けが人数が多いと見栄えがするというのもある。今回のツアーが前回に引き続き赤衣装で始まるのは、この2、3枚目のシングル曲のイメージなんじゃないかと思う。

5人曲+αを5人ずつで歌う

前回の武道館公演でも見どころだった企画が今回も行われていた。4曲もあったのだが、10人を4つのグループに分けて順番に入れ替えていくような感じだったので1人2曲ずつ。途中は2ポーズ目の黒衣装の人と赤衣装の人が混ざって歌っていたが、ちゃんとそれでも変に感じないようなデザインだった。「有澤・入江・石山」と「江端・遠藤」に分けていたのが今までのイベントやコンサートと違うところだった。

今回若手(?)が歌っていたのが「チクタク 私の旬」で、これはあんまり人数多いと収拾つかないのでいい選曲だと感じた。オリジナルで誰がどこを歌っていたのか見ながら思い出せないあたりが自分のファンとしてのレベルの低さだなと思うのだが、ともあれこれはこれでいい5人グループだ。オリジナル映像などを見返してしまうと泣いてしまうので気をつけないといけないが。

「背伸び」はゆめりあいと有澤入江石山のお三方だったのだが、この曲はサビを宮崎宮本植村と金澤高木に分かれて歌う曲なので、5人で歌うと再現性が高い。石山さんを中央に左右に有澤さん入江さんが立っているのは身長的に三尊像っぽくて良かった。ゆめりあいと「背伸び」は曲想的にも声質的にも最適な感じがするし、石山さんの声も合っていた。

「SEXY SEXY」は背伸びに続いてつんく曲だ。今のところ最後のつんく提供曲だと思うが、これは5人ではなくて7人の時の曲で、梁川さんのイメージが強い。そこを段原さんが歌う感慨というのは常にある。今のメンバーが歌った方がなんというか安心感がある曲と歌詞だ。

「愛のダイビング」は最初のアルバムで一番好きな曲かもしれない。植村さんがどんどん歌割を獲得していく時期だ。江端さんの声は佳林さんとは全く違うのだが、グループにアクセントを与える役割を担っているという共通点がある。Juice=Juiceは5人でもユニゾンの迫力があったなと思い出されるし、この公演の5人もそうだった。

「微炭酸」と「シンクロ。」

この2曲は稲場さんのイメージが強い。

「微炭酸」の方は佳林さんとの2センターみたいな感じでやっていたが、今のJuice=Juiceは曲ごとにすらセンターがいなくて、どんどん歌割が拡散していく感じがある。この曲について言えば、もともと印象的だった段原さんのパートが着実に進化している。

「シンクロ。」の方はもともとみんなで歌い繋いでいく曲なので、10人でもすんなり対応できる。この曲は生で見た時の感動というものがいつもあって、今日も涙が出てきて仕方なかったのだが、もう歌詞に感動しているのか思い出に浸っているのか今のメンバーの成長にほだされているのかわからない。今日聴いていてサビが「ふわり、恋時計」に似てるんだなと思ったが作詞作曲が一緒だった(井筒日美/星部ショウ)。2人ペアになって歌ったり踊ったりの多いのも楽しい。最後のソロパート(高木さんの)を松永さんが歌っていて、それがなんとも心に沁みる優しい歌声だった。松永さんはめちゃくちゃ歌えるのにJuice=Juiceではあまり代名詞的なソロパートがないのがもったいないなと思うのだが(「全ては許せないけど」はあるか)、これはまたぜひ聴きたいと思う歌だった。

あばれてっか?!ハヴアグッタイ

みんな待ってたと思うのだが、少なくとも私は待っていた(TWO OF USの感想でも書いた)のだが、聴けた。「DJあかりんごよろしく!」とかいう振りで一瞬不安が過ったのだが、この曲の冒頭部分(Feel your funk…)を担当したのが遠藤さんということだった。金澤→梁川→金澤という担当だったと思う、確か。すごく恥ずかしそうだったけどやりきっていた。これは騒いでなんぼの曲なので人数は何人いてもいい。10人で、しかも今のJuice=Juiceの和気藹々とした雰囲気でやるのにぴったりの曲だった途中の小芝居は、3flowerの芝居に植村さんがダメ出しをするみたいな流れに見えて面白かった。

Goal〜明日はあっちだよ〜

アンコールがないのは相変わらずで、これは1日に複数のグループが公演をするような状態では変化しないのかもしれない。Tシャツアレンジ好きなんだけどな。ということで最後の曲。最初の武道館で歌っていた曲で、2人ずつのユニゾンが聴けるところが好きだ。今回はタオル曲ということでMC終わりにさくりんごが袖から取ってきたタオルマフラーをメンバーに配っていた。植村さんの不明瞭な指示に戸惑う2人への「返事は」「はい」というやりとりがかわいかった。たぶん松永さんと有澤さんタオル逆だった、青の明度が。グッズ紹介YouTubeを見ている人が案外少ないのか、タオル所持率の低い客席。これはもっとブログで告知した方が、ですね。ともあれ、いろいろな組み合わせでユニゾンが聴けるし、終盤の10人のユニゾンは圧倒的だし、今のJuice=Juiceの歌声が堪能できるいいエンディングだった。

まあ過去の素晴らしい時期もあるけれども、全員のユニゾンの時のまとまりと響きの美しさは過去最高なのじゃないかと思えてきた。最後の方、いちさくが手を繋いで、石山さんがその手をぶんぶん振りながら歌っていたのも目撃できて良かった。アイコンタクトやジェスチャーでコミュニケーションを測っている場面は多々あるのだが、全部を見られないのが残念。ステージで起きている全てのことが本当は知りたい。最後にタオルをトスするわけだが、工藤さんがキャッチに失敗して叫び声を上げてしまい、ぐだぐだなかんじに終わる。リーダーがもう一回やろうかと言ってせーので全員トスするが今度は遠藤さんがわたわたしていた。そのままエンディングだった。

そのほか
  • とにかくステージ上が暑かったらしい。みなさんMCの大半と言っていいくらいそれを口々に述べていたし、髪の毛が汗ばんでいる人もちらほらいた。段原さんは黒衣装のジャケットを脱いだ瞬間に涼しくてみんなテンションが上がって声がすごかったと言っていて、石山さんは「このステージ上の暑さをみなさんにお届けできたら…暑さを届けてどうすんだ」と自分で突っ込んでいた。言いたいことはわかる。遠藤さんは前髪をお母さんにもらった櫛で整えたのに暑さでダメになってしまったとのこと。
  • 植村さん、「Never Never Surrender」のフェイクはちょっと長めだった。そのあとメンバーとアイコンタクトと手振りで何やらコミュニケーションしていた。予定外だったのかな。
  • 井上さんは植村さんにメイク道具を提供された。植村さんに顔面国宝いじりをされていた。あと夢に松永さんが出てきて助けてくれたことに感謝していた。Girls be Ambitiousの巻き舌パートの前にセリフパートができていて、井上さんはそれを言っていたのだった。
  • 松永さんは雨女らしい。知らなかった。このツアーずっと雨だそうで、明日は座間に雨を連れていくとのこと。今日来ていた人で座間へいく人はどれくらいなんだろう。つばきと娘。を見る人の方もいるだろうし。
  • 有澤さんが「Future Smile」でのバイオリンソロを(TWO OF USのとき同様に)電子バイオリンで生演奏していた。今までは普通のバイオリンを弾いている(振りをしている)ところに音が流れていたのだが、ついにやってくれた。小林さんも毎回そうだけれども、レコーディングで苦労して録ったものを衣装でステージで一発勝負で再現するというのはすごいことだ。実際素晴らしかった。
  • 入江さんは髪型を大人っぽく江端さんにやってもらったとのこと。ウェーブしていて確かに大人っぽかったが、その髪型と全体的なシルエットがなんとなく鞘師さんを連想させるものがあった。もっと先輩のように歌をアレンジとかしてみたいと思いつつ尻込みしてしまっていたが今日はいくつか挑戦できたとのこと。失敗してもいいから色々やってみてほしい。
  • 江端さんは開演15分前まで髪型が決まらなくて入江さんにヘアアレンジしてもらった。三つ編みをまとめた髪型だったけれどもすごく似合っていて、見られて良かった。*1頭の形が綺麗なので纏めても格好良い。5人で歌う曲とか含め、大事なところを任されることが多くなって頼もしい。ひなフェスソロの経験もプラスになっているんじゃないかと思う。
  • 石山さんの声はいまだに捉え切れていないところがあるのだが、魅力を感じる。まだ制御できていないのかたまに妙に大きかったり投げ出すような感じの歌い方になるのだけれど、それが挑発的な歌詞の楽曲に合っていたりもする。強いんだけど少しだけ甘さがあるような鼻にかかった声なので、他の人にはない要素としてこれからグループ内で必要な声になっていくと思う。長い手足を振り回すようなダンスもステージで目立っていた。
  • 遠藤さんは入江さんとはまた違った低音の良さがあって、しっとりした響きをしている。ちょっと声量が小さいのでこれからもっと良くなりそう。表情が歌詞とか曲調によってかなり変化するのだが、はっきりと暗い表情だったりマイナスの感情を表した顔をしている時があって驚かされる。Juice=Juice20周年とか、もしそこまで続いたらその時は遠藤さんがリーダーかもしれない、そこまで行かなくても今後どんな表現者になっていくのか楽しみ。
  • 最後のMCでは有澤さん(いいコンサートでしたね的な)や工藤さん(先輩の歌で鳥肌がお腹に立ったらしい)の発言からもいいパフォーマンスができていることに対する自信が感じられた。

このツアーは6月11日に追加公演が大阪であって、それも行くことになった。発売の順番次第では今日は見なかったかもしれないが、巡り合わせだ。5月末に日本武道館公演もあって、そちらも現地で観ようかと思っている。10周年のおめでたい席ですし。10人でのパフォーマンスの完成度の上がり方が想像以上のペースなので、この5、6月でさらにどう変化しているのか期待して過ごしたい。