この世のもの

見たものと考えたこと

宮本佳林 LIVE 2023秋〜Hello! Brand new me〜 於Zepp Osaka Bayside

Zeppツアーということで大阪公演はZepp Osaka Baysideという行ったことのないところだった。Nambaの方はなんかで行ったことあるように思ったが気のせいのようだ。ちょっと大阪の中心からは遠くて、USJのすぐ近くにあった。随分電車が混んでいたが、花火大会が舞洲であるらしかった*1。なんとなく赤坂BLITZを思い出す感じの内部で、スタンディング自由だったら結構入りそうなところに椅子を置いて座席指定しているのも研修生公演とかファンクラブイベントを思い出す。

I列中央寄りということで双眼鏡の出番がない場所で見られた。佳林さんの脚がよく見えないのもライブハウスだなと懐かしい思いがした。近年はホールでばかり見ていたので。
客席は通常通り、中年男性が主で若い人は女性に多い、比率は低いが。

オープニング映像はネオンサインのような文字が踊っていたが、フォントがナショ文字っぽい感じでなかなか格好良かった。ステージはシンプルで、背後にタイトルロゴの書かれた壁面が立っていた。

MSMW以来の佳林さんだが、より痩せたように見えた。腕とか脚が細くてちょっと心配になる。元々は肩周りとかが結構しっかりしていてご本人もコンプレックスと語っていたのだがその辺りも感じなくなっている。大人なので他人が心配することじゃないけれども。衣装は紫とピンクのボディスポンジのような衣装から途中早替わりでデニムのセパレートでかなり短いもの、アンコールでグッズのアニメヒロインみたいな衣装。

それにしても、宮本佳林さんが出演するのを見に行くのがこれで何回目なのか見当がつかないが、未だに本物を見る感動がある。かわいい。少しずつの変化は見せ続けながらも、顔立ちの本質的な魅力が全く変わらず損なわれていないのが、今日は過去を振り返るVTRの演出などでも実感できた。声についても実感したのが、スピーカーを通して会場に充満する声の響きの魅力で、音源を聴いた時とは違う、空間で味わう佳林さんの声の持つ力というのがあると思う。正体はよく分からないが。

セットリスト 
  1. バンビーナ・バンビーノ
  2. BAD 
    MC 
  3. コピンクメドレー 
    カリーナノッテ 
    ~ 最高視感度 
    ~ 兎tocome 
    ~ リバース 
    ~ カリーナノッテ polaris mix
  4. Beautiful Song
  5. 氷点下
  6. 天まで登れ!
  7. 少女K
  8. Lonely Bus
  9. イイオンナごっこ
    MC 
  10. メドレー/ハロプロ研修生 
    ズキュンLOVE(小野田華凜メイン) 
    ミニモニ。ジャンケンぴょん!(植村葉純メイン) 
    ~ ガタメキラ(村越彩菜メイン)
    有頂天LOVE(橋田歩果メイン)
  11. Juice=Juiceメドレー
    ロマンスの途中 
    ~ 私が言う前に抱きしめなきゃね 
    ~ 大人の事情 
    ~ 愛のダイビング 
    ~ 銀色のテレパシー 
    プラトニック・プラネット 
    ~ Wonderful World
  12. どうして僕らにはやる気がないのか
  13. 自分ファースト
  14. ソリスト・ダンス
  15. 夜明けまでのララバイ
    ENCORE
  16. 私がオバさんになっても
  17. パラレルハート
    MC
  18. なんてったって I Love You

ツアータイトルから、新曲多めのセットリストかと思ったが、確かに今度のシングル収録の曲はしっかりやっていたもののこれまでの経歴を振り返るメドレーが多数含まれる、美術で言ったら回顧展みたいな内容だった。ハロプロエッグから15年、Juice=Juiceから10周年ということで、ハロー!プロジェクト25周年という今年は佳林さんにとってもアニバーサリーイヤーなのだった。

メドレー色々

コピンクもCDデビューということで言えば10周年だ。私が初めて佳林さんを見た静岡のコピンクス!ライブからも10年ということで感慨深い。最近のライブでは1曲くらいは歌ってくれることが多いので、「カリーナノッテ」の時点では驚きはなかったのだが今回はメドレーで、発表順に全曲やっていて震えた。しかもPolaris mixまで。この最後のはテンポが遅く歌うのがより難しそうなので、佳林さんの進化がよく分かった。コピンク楽曲は正直曲調が似ているのでメドレーにしても違和感がない。佳林さんは懐かしのあの曲という感じでさらっと歌うのではなく、1フレーズずつ噛み締めるように丁寧に歌ってくれるので、何度聴いても、いつまでも感動がある。

佳林さんがエッグ→研修生の頃の思い出の曲メドレーというのをハロプロ研修生の皆さんが担当していた。研修生曲なら歌い慣れているかと一瞬思ったが、よく考えたら佳林さんが研修生の時に歌っていたのは1曲以外は先輩のカバーだった。4人もやったことない曲もありそうで大変だ。後ろのスクリーンには当時の佳林さんの映像も映し出されていて、私がちょうど2013年初頭にYouTube宮本佳林の名前で検索してヒットしていた映像群なので、リアルタイムでは見ていないにも関わらず懐かしさがあった。それにしてもスマイレージオーディションの時の佳林さんのかわいさはちょっと他では思いつかないくらいの次元だ。落ちた時の本人やファンの不本意さはいかばかりかと思う。

さらに続いてJuice=Juiceメドレー。グループの曲なのでバースデーイベントでソロだとちょっと辛かったり音源を重ねたりするところもあるのだが、研修生がいることで上手く繋いでいた。本人が思い入れを語っている曲ばかりなのでこちらとしてもテンションが上がり続ける構成だった。改めて佳林さんがJuice=Juiceの象徴として存在し続けていたことを実感する。今後大幅にJuice=Juiceのメンバーが減りでもしない限り、最初で最後のセンターだと思う。特に「大人の事情」、「銀色のテレパシー」あたりはもう宮本佳林の曲という印象の方が強い。「銀色のテレパシー」は自動的に落涙してしまう楽曲だ。関係ないが、「愛のダイビング」の間奏のソロダンスのところ、「かりん」が2人いるのが楽しかった。

新曲など

オリジナル曲としては今回のシングルに入る曲と代表曲数曲というところだった。アンコール最後にまだやってない曲として満を持して演じていたのが「なんてったってI Love You」だったので、そういうポジションの曲になったのかという感慨があった。確かにライブで見ると楽しい。あと振り付けが好き。研修生がバックでマイクを持たずに踊っているので、よりダンスが楽しめた。植村さん以外はMVのメンバーだ。

「Lonely Bus」は星部さんと大久保薫さんの組み合わせでなかなか好きな感じの歌謡曲だ。モーニング娘。の新曲に比べたら労力とか予算とかの差を感じてしまうけれども仕方ない。
カップリング(じゃなくてadditional trackか)の曲でいうと「Beautiful Song」(Wonderful World以上に検索に不向きな題名)はAメロがなかなか素敵で気に入った。ソリスト・ダンスはタイトルと歌詞が「ひとそれ」っぽいが曲としてはあまり印象に残っていないのでまた聴き込みたい。「パラレルワールド」はセリフがかなり多かったのでこなれてくると面白いかもしれない。そういえば、今日は新曲に限らず歌詞と曲名(編曲までのクレジット付き)が表示されていてありがたかった。曲の終わりにも出るのがテレビっぽい。「パラレルワールド」の台詞は吹き出し様に表示されていた。

アンコールMCにて

佳林さんは東京の公演で喉の調子が悪かったようで最後のMCでも直接言及はしなかったものの悔しさを滲ませていた。今日だけを見た印象としてはまた歌が上手くなっている。音程の安定感が増していて、発声のバリエーションもまた増えていた。高音にしろ、強い歌唱にしろ、何か破綻する危うさを感じるところが全くなかった。私がオバサンになってもなどはあまり今までに聴いたことのないキャラクターっぽい歌い方をしていて興味深かった。
ソロのアイドル歌手として歌えない曲はもうなさそうなので、逆に何を歌うのかというのが問題になってくるのだと思う。本人が本当に好きな曲はどんな曲なのかというのは、過去の曲からどんな曲を選定しているかで何となく伝わってくるし、実際それらの曲を聴いている時が感動の度合いが高かったように思う。

MCがかなり少なめの公演でほとんど歌いっぱなし。とは言えアンコールでまとまった話があった。先ほど書いたようにコンディション的なことでこのツアーに良い点はつけられないが、初めて見た人にまた来たいなと思ってもらえるように頑張ったとのこと。一方で昔から応援してくれる人がいなかったら寂しくて死んでしまうし、エゴサできなかったらと思うと辛いとも。
今回背後にスクリーンがあるのは普通のことではなく、スライディング土下座する勢いで頼み込んでつけてもらったらしい。かわいい顔にするからと。おかげで微細な表情もわかるいいコンサートだった。スクリーンがわがままになってしまうのは収益とかの大人の事情らしいので、バンドセットで見たいという私の願望は叶えられることは当分なさそうだ。そもそもソロで歌手活動できているOGが何人いるのかと思うと本当に難しく、だからこそグループアイドルが主流になって久しいのだと考えさせられる話だった。

ハロプロ研修生

研修生は今回思い出の曲メドレーのところでそれぞれメインとなる曲目があったり、衣装も佳林さんに合わせて変わっていたりとなかなか見せ場が多かった。橋田さんは18歳になったばかり(入江さんの1日前)、植村さんは地元大阪ということでフィーチャーもされていた。橋田さんは最初の紫のジャケットを脱いだ白い衣装の似合いっぷりがすごかった。3年前の実力診断テストを思い出した。表情の作り方が研修生離れしていてさすがプロと呼ばれるだけのことはある。小野田さんはJuice=Juiceのオリジナルメンバーを混ぜたような歌声をしていて、ズキュンLOVEは佳林さんの初期を思い起こさせたし、Juice=Juice曲では宮崎さんっぽさもあった。研修生ユニットは松原さんの歌の安定感が抜けている印象があったのだが、小野田さんも非常に安定していてイメージがちょっと変わった。4人ともダンスが上手いし個性もあって見ていて飽きなかった。

 

シングル発売日まで微妙に期間が空いているのがもどかしい。