この世のもの

見たものと考えたこと

宮本佳林 LIVE 2022春〜アメジスト〜 於メルパルクホール大阪

昨年のツアーから約半年、春というよりは初夏だが宮本佳林さんのツアー初日を見に行った。メルパルクホール大阪は初めて。東京の方は2013年6月の生タマゴShowを見た。それほど大きいところではなく、1階後方だが遠くは感じなかった。今回も1つおき、半分の客席使用だが、今後フルに使用するとなった場合、大阪はどれくらいの会場になるだろうか。

アメジスト紫水晶。佳林さんはソロになってからも葡萄色(って書くともっと本当は茶色っぽい色になるのだが)からの流れで紫を自分の色としている。紫を出しちゃったので、宝石シリーズは続けづらそうだ。石言葉は愛情だそうで、今回のコンサートのテーマは、だから愛情だ。

衣装など

衣装は白黒のストライプを基調としたもので、ショートパンツだったのだが太ももの装飾(何て言うんだろう)がどうしても目に留まる。冒頭はハットをかぶっていて似合っていたが、1曲で脱いでいた。途中で衣装替えがあって、紫のザ・アイドルなフリル多用のものに。相変わらず、こういう衣装を着ても滑稽さが生まれないのがすごい。アンコールでは販売しているTシャツのアメジスト柄のところにスパンコールをつけたものに、白ジャケット(背中に謎の絵柄、luxuryとか書いてあった)。髪型は短いながらも編み込みやウェーブもかけてあって、耳飾りもメイクもキラキラしていた。

新曲とお知らせ

昨年、12月にTBS After 6 Junction出演した際、春にアルバムが出るというお知らせがあった。ブログにも告知があったのだが公式サイトに出ることはなく、そのままになっている。こちらとしては佳林さんからお知らせがあると言うとついそれを期待してしまって若干の落胆が生まれてしまうので、延期や中止であればそれを教えてほしいなと思う。そういえばJuice=Juice ワールドツアーのタイとアメリカも告知ないまま消滅していたな。

ともあれ、本日のお知らせ。セカンドシングルが6月に出る。6月といえばもう来月だ。急な時は急。今回は両曲が一気に披露された。「なんてったってI LOVE YOU」はポップな曲調なのだが、一聴しただけでは覚えられないいびつな曲調だった。途中の展開で意識が飛んだ。難しい、虎視タンタターンくらい。作詞は「規格外のロマンス」の人だ。作曲編曲は知らない人だったが、IDOL M@STERとかの曲を手がけているようだ。ハロプロ研修生がバックダンスをしていて、MVにも参加しているとのこと、こちらも「規格外のロマンス」方式だ。「ハウリング」はどちらかというと暗い曲調で、デジタルな編曲だがメロディ自体は歌謡曲っぽい。公式情報では「エスニックな弦楽器をブレイクビーツに乗せたサウンド」。歌詞は覚えていないのだが、サビでとにかく「嫌い。嫌い。」と言っていた。児玉雨子さん詞。前傾で歌っていたのが印象的だ。作曲はMOJとあるので、法務省のキャンペーンソングなのかもしれない。

などと言うことはなく、7月に上演される音楽劇のテーマソングだそうだ。歌詞の内容からストーリーを妄想してみてほしいと佳林さんが仰っていて不甲斐ない気持ちになる。音楽劇についても公式で発表がされている。「悪嬢転生」で、脚本は「タイムリピート」の人なのだが、「何度も何度も永遠にくり返される、悪嬢への転生。」って、あれ…? ともあれ東京でしか上演されないので計画を立てなければならない。

新曲はどちらも7~80年代の歌謡曲を連想させるものだった。本人はボカロ的な音楽を好んで聴いているようだけれども(全然追えていないので良くは分からない)、自身ではそう言った曲調や制作陣で歌うと言うことは案外ない。元々のアイドル歌謡的な嗜好を基調にしていこうと言うことなのかなと思う。新曲のあとに、森高千里の「やっちまいな」を歌っていたのもそんな流れであった。このカバー好きだし、声質が全く違うので別物として楽しめる。森高千里曲はどんどん歌ってほしい。

シングル以外にも新曲があって、「自分ファースト(表記不明)」という百合子が脳裏を過ぎるタイトルのロック曲だった。ソロ歌手にふさわしい楽曲で、完全に客にコールさせるべく構成された演出だったので、今後の情勢次第ではコンサートで非常に盛り上がると思う。コーラスに中島卓偉さんの声が入っていたように思うので多分卓偉曲だ。

オリジナル曲

セットリストはオリジナル曲とJuice=Juice曲とカバー曲の混成で、それは最初のソロツアーのKaringからそうなのだが、オリジナルが増えてもあまりその比率が変わっていないようだ。Juice=Juiceの曲はオリジナルが足りないからではなく、歌いたくて歌っているのだなと(もちろんファンサービスもあるだろうけれども)分かってきた。シングル曲以外にも配信曲、自作曲、ライブでしか披露されていない曲など曲も増えてきているので、実際一度のコンサートで歌われない曲も増えてきている。

今回は「規格外のロマンス」「どうして僕らにはやる気がないのか」のシングル曲を前後に配置してオリジナル曲も数曲歌っていた。何しろ音源化されていないので今ひとつ覚えられていない。M-line コンサートのDVDをやはり買うべきなんだろうか。どうにも他の出演者に興味が生じていないので買うに至っていない。「イイオンナごっこ」は前回のツアーで披露されて以来で結構好きで、これはバースデーイベントDVDに収録されている。佳林さんの主人公なりきり路線が楽しめる。この曲を含むブロックでは珍しくヘッドセットマイクを使用していた。カバー曲(誰の曲か分からなかった、月島きらりかな*1)を含めてダンスを見せたいと言うことだと思うし、実際に、より振り付けの意図がわかる美しいパフォーマンスだった。ライブとMVでダンスの印象変わる曲とかってありますもんね。その他、「若者ブランド」「HAPPY DAYS」など。「HAPPY DAYS」は特に覚えられていない…。

アンコールでの「落ちこぼれのガラクタだって」はKaringからやっている曲で、コールをしなくても一体感が出るので今の情勢だとありがたい。

それにしても、まとめて音源として聴くことがコンサートに行くことと並立して私には重要なことなのだと思える今日この頃なので、どうにかならないかしら…多分terzoを聴きまくってるからだな。

Juice=Juice曲

terzo」発売記念かどうかは分からないが、「プラトニック・プラネット」が最初の曲だった。前にも歌っていたが、どう考えてもソロで歌う曲じゃない。この曲が佳林曲である所以のスキャットがメインを歌っているのでできないのが隔靴掻痒ポイントだが、今歌う意味が感じられた。同じブロックで、「大人の事情」、NEXT YOU曲だ。ドラマ「武道館」はドラマとしての出来もさることながら、共演陣が次々と不祥事で消えてゆくのには驚かされているが、曲の良さは損なわれない。この曲を歌うときの佳林さんはもう一段階スイッチが入るような感じで、エモーショナルになる。つんく曲でも特に相性がいい気がする。コンサート序盤だったが感極まった。

「ポップミュージック」は昨年もやっていたはずだが、今回は特に楽しかった。ハロプロ研修生がマイク持ってバックダンスをしていて、ねぇねぇ隊ならぬポッポ隊になっている。オリジナルのコーラスはだいぶオケから省かれていて、佳林さんと研修生の作る世界に巻き込まれた。「鳩」の歌い方がいちいち面白い。タピオカミルクティーも声出てました。ハロプロ研修生は「Fiesta! Fiesta!」でも歌っていた。佳林さんの「情熱を解き放とう」はあくまでも裏返らない。間奏のダンスはオリジナルで、まだ試行錯誤中な感じだったが、研修生からのマイクの受け取り方が面白かった。小野田さんが献上品みたいに渡していた。

「Borderline」はソロで見るのは初めてだろうか。記憶が定かではない。コーラスも佳林さんの音源になっていた、はず。こちらもterzo収録曲だ。これが披露されたTRIANGROOOVEの映像はいつ見ても感涙を伴う。その時とは歌詞の響きがまた変わってきて、より私小説的に思える。

ハロプロ研修生

去年のコンサートでは増員前のハロプロ研修生ユニット(今は2.5倍に増えてOCHA NORMAになった)がバックダンサーをしていた。今年はメジャーデビューも決まった彼女達に変わってまたハロプロ研修生が参加。松原ユリヤ・小野田華凜・橋田歩果・村越彩菜の各氏で、ちょっともう研修生の加入時期とか年齢とかが全然なのだが、松原さんは折々で見かけている、長くやっていてもう足掛け6年だ。でも14歳。小野田さんも村越さんも14歳で、橋田さんが16歳。最近はデビュー年齢が徐々に上がってきているので、佳林さんや一岡さんのような悲壮感はないんじゃないかと想像する。どう選ばれたのかはわからないけれども、背丈が佳林さんに近い方々で、5人並んだときの見た目が揃っていて良かった。コーラスで参加していたり、Juice=Juice曲では振り付けの一部を担っていたり、ダンスパフォーマンスを披露していたりと要所要所を占めていた。佳林さんもメンバー紹介の際に触れていたが、5月はの1,2日とコンサートに出演して、3日に実力診断テストというのは相当きついスケジュールだったと思うのだが、全く練習不足という感じのしないパフォーマンスで素晴らしかった。松原さんは手足が伸びていて、ダンスも歌唱も安定している。流石のベテランという感じだった。

橋田さんは大晦日にちょっと見たくらいでしっかり見るのは初めてだったが、YouTubeとかのコメントでも人気だし、去年の実力診断テストでもアイドル性の高さが印象的だった。橋田さんは果たしてとにかく良かった、かわいかった。不思議なダンスをする人で、他のメンバーと当然同じ振り付けなのだが動きが柔らかく、キレはないけど美しい。指先の使い方とかも印象的だった。あとは、おそらくは手足があんまり長くないのが全体的な動きのかわいさに繋がってるんだと思う。ここ2年の実力診断テストでも自己のしっかりした姿は見てきたが、今回もセルフプロデュース力を感じた。このまま貫いてほしい。研修生は今回の衣装がかわいくて、白いマントのような、後ろから見るとドレスのようなジャケットを着ていて、それもよく似合っていた。最後のメンバー紹介の際の手の振り方がもう研修生ではなかった。なんなら稲場さんの抜けるJuice=Juiceに入ってくれないだろうか。宮崎賞受賞者でもあるし。

研修生はオリジナル曲をいくつか歌っていて、3曲目「きみの登場」でちょっといつもより曲数多いなと思っていたら佳林の登場だった。研修生曲をハロー!のメンバーやOGが歌ったときの貫禄とか迫力を見るのは好きだ。やはり同じダンスをしていても佳林さんの力の抜け具合、動きの美しさは圧倒的だったので、研修生も学ぶところ大きかったと思う。

 

ソロになって3度目のツアー、今回は特にあっという間に感じた。なぜだろうか。

まずはシングルの発売を楽しみにしたり音楽劇いつ行くかに頭を悩ませたりすることになるとは思うのだが、アルバムやライブ映像の発売もしつこく心待ちにしたいと思う。

 

01.プラトニック・プラネット[Juice=Juice]
02.規格外のロマンス
03.大人の事情[NEXT YOU]

MC 

04.なんてたって I Love You
05.ハウリング
06.やっちまいな[森高千里
07.ポップミュージック[Juice=Juice] 
08.Rainbow/ハロプロ研修生

MC ハロプロ研修生

09.色とりどり伸びよ!!/ハロプロ研修生
10.きみの登場/ハロプロ研修生
11.ラッキーチャチャチャ![ミニモニ。
12.イイオンナごっこ
13.若者ブランド 
14.HAPPY DAYS  
15.ダンストラック 
16.Fiesta! Fiesta![Juice=Juice] 
17.Borderline[Juice=Juice]
18.自分ファースト(新曲)

ENCORE

19.どうして僕らにはやる気がないのか

MC 

20.落ちこぼれのガラクタだって

 

 

*1:ミニモニ。でした