この世のもの

見たものと考えたこと

Juice=Juice コンサート2020 ~続いていくSTORY~宮本佳林卒業スペシャル 於日本武道館

一瞬で終わった気がしたからコロナ禍の影響(リハの機会とか)で短いライブになっていたのかと思いきや、9時になっていた。体感時間が短かっただけであった。

 

アンコールの際も一人一人の挨拶ではなく、リーダーからのコメント。これがまた(かりんさんも言っていたが)綺麗にまとまっていたこと。Juice=Juiceとファンしかいない世界なのだという設定を踏まえた言葉なのが、大人だなと思った。感想戦も省いてパフォーマンスをしていた。休憩に当たるようなMCもなく、衣装チェンジのみ、それすら少なかった。本当に濃密であった。

 

映像も、ビジュアルのエフェクトもほとんどなし。看板にもオープニング映像にもメンバーが写らないのはある種ミニマルかもしれない。演出と言えば照明くらい。

 

頭がぼーっとしている。実感が湧かないとはこのことか。本人の明るさ、変なテンション(=通常運転)がそうさせたのか。

 

9人のユニゾンは圧力がすごかった、というかこれ全員で歌ってますよね?というところが全然全員じゃなく、4:5だったりする(まあ前は全員で5人だったんだけど)。曲によっては全員で歌うことなく終わったりして、贅沢なグループになったものだ。

 

去年の12月に代々木を見て、国家試験が終わったかと思ったらライブができない事態に。Juice=Juiceを1年も生で見ないなんてことがあるとは思わなかった。しかし、ライブがここまで見られなかったのもコロナ禍のせいならば、9人のJuice=Juiceが見られたのもコロナ禍のおかげ。なんとも言い難い事態だが、良いことを寿ぎたい。

 

久々に見るJuice=Juiceは良かった。良かったとしか言えない。ここのところのballad漬け(現場行ったのは1回だが)によってやはり少しずつ心が削られている面もあったなと思わさせる。曲の魅力、グループで歌うことの尊さというのがあるからこそ私は宮本佳林のいるグループであったJuice=Juiceが大好きな集団と思えていた、いる、のだ。

ゆめりあいが上手になっている。元々の実力をJuice=Juice においても発揮できるようになったというべきかもしれない。タコちゃんは力みが取れて、本来のかわいい声が歌に生かされるようになっているし、松永さんは堂々たる雰囲気で歌い上げていた。特に声の伸びと声量が成長著しい。段原さんとも高木さんとも違う声の魅力があるので、あとはスタイルがどんどん確立されていくんだろうなと楽しみです。

タコちゃんの方は緊張が以前ほどないのか、表情が多彩になっているし、観客を見ながら歌ってるのもかわいいし、ダンスの全身全霊ぶりは相変わらずで気持ちいい。

 

井上さんはベースとなる声量が大きい。常にしっかり響いている感じ。もう大隊においてJuice=Juiceの曲をマスターしているし、ソロを回して行っても違和感がない。ダンスがまたほんとに上手。悪目立ちしないので見つけづらいくらい。choice&chanceのボイパはyoutubeで何度も見たはずなのにすっかり忘れてて期待していないところにぶち込まれたので感激した。そっちに気がいって、メンバーのダンスが全く脳に入力されていなかった感あり。これから確実に増えてくるだろう展開が楽しみだ。

 

7年間、ほぼ上手くなったと言われ続けている植村さんは本当にすごい。今日は特に声量に驚かされた。なんかね、ほんとすごいよね。

 

脳内にあったこと

みんなかわいしい大好きだ。みんな上手になっている。歌唱力の凹んだところがない、どういう歌割でも安心して聴ける。そしてどういう組み合わせで歌っても面白いし、9人いると2人パートも色々すぎて把握しきれない。当然のごとく目が足りない。誰かを見るということは誰かを見ないということ。全員を見たい。

初めての本格的なライブとは思えないほど仕上がっていて、一夜で終わってしまう体制なのが勿体無くてならない。

 

 

1:1でメドレーを歌っていくところ、楽しかった。話し合って決めたという選曲も興味深かったが、オリジナルメンバーとはあえてのカバー。ファーストアルバムからということで久々に見た曲多し。それぞれの見せ場がある曲なのが良かった。香水とかスクランブルとか。ビビナイでは稲場さんとのダンス対決も。

新メンバーではタコちゃんのアレコレが最高だった。すごく活き活き。宮崎さん的な面も宮本さん的な面もこれから担っていけると思う、期待してます。 

 

自分の卒業ライブでも基本はヘラヘラしている佳林さん。そもそもトークも少なかったけど、続いていくSTORYの間奏+オケに挨拶をしっかり入れているのが多分、素の状態で話すよりまとまると思ったからだろうし、流石のプロデュースだと思う。

かなともさんは思った通り泣いていたけど、さゆきさんも)コメントしっかりしてた。佳林さんの優しさとか雰囲気とかって、はっきりした形になってないから褒めにくいのを、言語がしてくれて嬉しかった。りあいさんのさめざめとした泣きかたが大人っぽい、この人はライブ中は喋らなければ到底中学生には見えない。

 

カーテンコールがあって、かりんさんの雑な仕切りでバンザイ。客も乗り切れない。そのまま残される佳林さん。頑張れないよーってよく咄嗟に出てくるな。会場も受けていた。失笑とは本来こういう意味では?

でもこのシーン、Juice=Juiceの方が佳林さんを卒業するっていうのを体現した重要な絵図だったかもしれない、ですよね。

 

未来のフィラメントは、(Juice=Juice)ではないという点でソロデビュー曲と言えるかもしれない。雨子さん作詞、コピンクとの対称性を意識せざるを得ないし、歌詞のモチーフ群にもそれを感じる。より癖と膨らみを増してソロとしての個性を強めた歌唱だった。案外振り付けがしっかりついていて、今後も一曲一曲をパフォーミングアートとして伝えてくれるんだろうなと

 

8人のJuice=Juiceの新曲、なぜか数日前にも披露されていたようだが、見るのは初めて。段原井上メイン曲だった。私はそもそもが佳林さんのファンなので、彼女がいないJuice=Juiceというのが全く違うものに受け止められるのは当然なのだが、なんとも不思議な感じだった。いいとか悪いとかではなく。まだちょっと実感できていないのだと思う。オリジナルメンバーの歌割が少なめなのもあるかもしれない。2人ずつの組み合わせが楽しいのはもちろんあった。曲調は割と正統派バラード曲だった。

 

佳林さんのパートに対しては、いつも若干の緊張感がある。聞き逃してはならないとか、上手く音はハマるだろうかとか。聴いてしまえばただただ上手いなーと感心したり感動したり、時折あれ?とかあぶね、とか思ったり。単なる曲の一部分ではない重みがどうしても自分の中にあるので、ある意味ではJuice=Juiceの曲を常に偏ったバランスで享受していたとは言えるかもしれない。

そんな自分なので、かりんさんのいない8人のJuice=Juiceの曲の聴き方がわからなくなった。

 

最初期の曲はもう歌割が完全に別ものになっていて、いまだに全然覚えられない。その驚きが毎回あって、それはそれで面白いのだが5人時代のどんどん曲が煮詰まっていく面白さはなく、完成度よりもこのメンバーで聞くこと自体の価値を楽しむ感じにはなっている。

どうしても中期の曲が少なめになってしまうのは仕方ないし、人数が増えてきてからの曲の方が完成度が出しやすい、そのうえ世界観も今のメンバーに合っている。セットリストはそういう意味でも良かった。

 

それに加えて、当然のように、佳林さんが特に輝く曲がセットリストに入っていたと思う。

風に吹かれて〜銀色のテレパシーまでは卒業とか関係なく、ひたすら良い音楽に触れている感動があった。そしてカメラが曲の終わりにいちいち佳林さんの表情を捉える。それがまた全力アイドル、全力女優なのでたまらない。わた抱きの頃から佳林さんの曲終わりは素晴らしかった。あんなに振り切られたら誰も文句は言えまい。

佳林さんは決して器用な歌手ではないので、もちろんある程度の価値は生み出すにしても、得意な曲の時の圧倒的な世界観はやはり限られたものだ。そんな世界観の味わえる曲を多く歌っていたし、これからソロになったらより深化していくものと期待している。

 

私はグループになる直前の、ハロプロ研修生だった佳林さんを知ってハロプロに入門した。だからまず持って宮本佳林のファンなのだけど、Juice=Juiceが今は本当に大好きで、全員のメンバーを本当に愛している。コピンクとの落差に愕然としたことも、好きな曲ばかりが発表される頃も、首を傾げる展開が続いた時もあったけれど、ある時期からJuice=Juiceが歌えばいい曲になる、と思えるようになってきたのだ。変化を厭い、5人時代に執着していた私が、今は変化や成長を愛でられるようになったのもJuice=Juiceのオリジナルメンバー、新メンバーがみんな素晴らしい人たちだからだ。

これからJuice=Juiceに対してどんな感情を抱いていくのかはわからない。がんばれないよは好きだけれど、まだ宮本佳林さんのいないグループの見方が定まっていないのだ(佳林さん欠席のライブは何度も見たことあるが)。今後、熱がおさまり、気持ちが離れていくかもしれないし、タコタコ言っているかもしれない。かなともさんには本人が満足するまで続けてもらいたいと思っている。外圧も定年もないと信じている。

 

 

お陰で紫が大好きな色になったということだ。本当にありがとう。8年弱、楽しかった。

これからもよろしくお願いします。

 

思いつくネタ

  • みんな久々にライブができて楽しそう。
  • るるちゃんは相変わらずのふにゃふにゃした喋り。
  • まなかんは特に、ダンスできなかったの辛かっただろうな。
  • よく考えたらMCほとんどないどころか感想もなかったからゆめりあいとか名乗り以外喋ってない?
  • 大人の事情は外せない曲なんだろうなと思った。宮崎さんゲスト出演あるかなと一瞬妄想。
  • ポップミュージックは生で初めて見た。みんなそうか?(よく考えたら好きって言ってよもそうなんだけどなんかそんな感じせず)だのに鳩の佳林さん見逃した。不覚。しかしこの曲のタコちゃんとの相性の良さは目を見張るものがある。あとぷにゅ以下略の植村さんが思ったより全力でやっててくれて嬉しい。高木さんは言わずもがな、生で見られて良かった。
  • 微炭酸と禁断少女を同じライブで見られるなんてそれだけでもう幸せすぎる。
  • ロマンスの途中は毎回歌割りが覚えられなくて驚いていて聴き入るどころじゃなくなる。一度元の歌割りで今の歌唱力で聴いて見たかったななどと思いつつるるさんの「やばい」が好きすぎるのも事実。
  • 続いていくSTORYは卒業ライブでやるだろうなと思っていたはずなのに、佳林さんがソロで出てきた時に、なんか不意をつかれた。泣いていいよ→映像→続いていくというこの流れは泣かせに来ている。というかメンバーも泣いてるし。
  • アンコールの3曲は、全て2015年の曲だ。その後もずっとライブの終盤の定番曲だった。

01. 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
02. 好きって言ってよ
03. プラトニック・プラネット
04. 風に吹かれて
05. 禁断少女
06. 愛・愛・傘
07. 銀色のテレパシー
08. 如雨露
09. メドレー(伊達じゃないよ うちの人生は~アレコレしたい!~背伸び~Vivid Midnight~SEXY SEXY~スクランブル~ラストキッス~香水~大人の事情)
10. CHOICE & CHANCE
11. ポップミュージック
12. この世界は捨てたもんじゃない
13. 未来のフィラメント
14. がんばれないよ
15. 微炭酸
16. 私が言う前に抱きしめなきゃね
17. ロマンスの途中
18. 生まれたてのBaby Love
19. 泣いていいよ
<アンコール>
20. 続いていくSTORY(Symphonic Version feat. Karin)
21. Magic of Love(J=J 2015Ver.)
22. Wonderful World

natalie.mu