つばきファクトリーのコンサートは前回のツアー以来だから1ヶ月半ぶりくらいなのだがもっと久しぶりのような気がする。合間にシングル発売があって見ていない曲があるからかもしれない。
今回は初日の最初の公演を見ることができた。FCのチケットも割と前の方で(通算で10列目くらいか)、肉眼で十分に表情まで分かった。まあ双眼鏡も使った。
ツアー初日の期待感ももちろんあるし、最新シングル曲を初めてみるのも楽しみだったのだが、何より岸本さんの復帰初日というのが大きなトピックだった。開演前から「ゆめの」コールと共に会場に高揚感が募っているのを感じた。今日の客層はけっこうベテランファンの方々が多いように見受けられ、コールもその分揃っていて大きかった。女性も多く、最近かなりの高確率で隣が女性だ。ちなみに前後が青ペンライトの人で心強かった。
今日は当日発表だったようだが秋山さんがインフルエンザ罹患のためお休み。全員集合とはならなかった。地元で初日ということで無念なことと思うし、会場にいた赤いTシャツの方々も呆然としたことだろう。各所で不在を感じる部分があった。それと、谷本さんが肋骨の痛みだったかでパフォーマンス制限とのことだったが、見ていてあまり違和感がなかったのでそれほど大事ではなかったのかもしれない。
セットリスト
- 間違いじゃない 泣いたりしない
- でも…いいよ
- 抱きしめられてみたい
MC - 表面張力~Surface Tension~
- キャベツ白書~春編~/山岸、新沼、谷本、岸本
- 独り占め/河西、八木、福田、豫風
- 雪のプラネタリウム/小野、小野田
- デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい
- I Need You ~夜空の観覧車~
MC - 弱さじゃないよ、恋は
- 低温火傷
- 可能性のコンチェルト
VTR(パーティー映像) - 足りないもの埋めてゆく旅
- 涙のヒロイン降板劇
- アドレナリン・ダメ
MC - 妄想だけならフリーダム
- マサユメ
- 今夜だけ浮かれたかった
- ハッピークラッカー
ENCORE - 断捨ISM
- 最上級Story
MC - 勇気 It's my Life!
印象に残った曲(思いついた順)
- 間違いじゃない 泣いたりしない
イントロにライブ仕様の音の演出と、最後に真琳さんがなんか英語で言っていた。一瞬新曲かと思った。聞き取れそうなものだが動揺して全然内容が分からず。 - 独り占め
この曲は真琳さんが以前から好きな曲として挙げていて、つばき全体で歌っていた時も嬉しそうだったが、今回は4人でということでより気合を感じた。真琳さんが好きというのが今ひとつピンときていなかったのだが、この4人の歌を見て良さが分かった。世界観を4人でしっかり作り出していたし、スキル的にも最初の武道館からの伸び率がとてつもないことになっている。4人でのベストパフォーマンスだったし、この曲のベストでもあった気がする。6人時代に見た印象が下方修正されている可能性もあるが。同時にこの頃のつんく曲良かったんだなという感傷もある。今日は「デートの日は…」もあった。 - 雪のプラネタリウム
今公演で、見ていて一番心動かされたのがこれだった。もちろん「さにこ」で歌う予定だったんだと思うが、2人で歌ってこんなに良い曲だとは思わなかった。シンプルに声量が素晴らしい2人だったし、それぞれの感情の乗せ方が全然違うのが合わさった時に爆発的なユニゾンになっていた。ここに秋山さんのセンチメンタルな声が入ったらそれはそれで美しいだろうが、この迫力は今日だけのものとして記憶にとどめておきたい。 - でも…いいよ
秋山さん不在で、河西さんが1番も2番もひたすら美しかった。最近毎回書いている気がするが表情が良い、ネガティブな感情のバリエーションが豊富だ。表情×歌で惹起するパワーがすごい。真琳さんのパートは音源だとかなり整ったクリーンな歌唱なのだが、ライブだと揺らぎがあってより感傷的だった。一番最後は小野田さんが主演の舞台になっている。この曲と「妄想だけなら」は岸本さんは不参加。復帰直後のツアーで体力的にも休めるタイミングになって納得の解決策だと思う。次の曲でさりげなくではなく堂々とセンターから現れる岸本さんがさすがだった。 - 妄想だけならフリーダム
初めて見られたがこれは楽しい。あまり何も考えずに見られる。家でテレビの前でじっくり見るような曲ではなかった(そもそも縦長のMVをテレビで見るのもおかしいが)。先人たちがコールも確立していて、「ヤギシオリ」も完璧だった。多分ダンスも歌も激しくて演じる方は大変だと思うが、割とセットリストの後半にこれを完遂するつばきファクトリーすごい。この曲は1番と2番の冒頭の歌割が同じなのが美点になっていると思う。ちょっと他の人が考えられないくらい3人が素晴らしい。贔屓目ですけど。 - 勇気 It's my Life!
これは岸本さんも加わって完全版になった。山岸さんの卒業ソングが2人の卒業ソングになったという感じで、山岸さんのパートを2人で分けていた。もっとユニゾンがあっても良い気もしたけれども、それはさておき山岸さんは涙ぐんでいた。9月の25周年コンサートと言い、このところつばきのメンバーは感情が忙しそうだ。この曲はそれほど好んで聴いていなかったのだが、ライブで見るとメンバーの爽やかさが強調されて非常に雰囲気が良かった。そしてまあ、あり得るとは思っていたが最後のフェイクは岸本さんだった。真琳さんのをまだ見たことがない自分は思うところもなくはないけれども、元々が岸本さんのパートのはずが真琳さんが預かっていたということで本人は喜びを感じているかもしれないし、また将来的に聴けるのを楽しみにしておこう。
岸本さんは卒業前にこれレコーディングしないのだろうか。配信でもアルバムでもadditionalでも11人バージョンを置き土産にしてほしい気もする。 - 今夜だけ浮かれたかった
秋ツアーでも生き残る強い楽曲。1番の秋山さんと真琳さんのユニゾンが1人に。手に汗握った。 - アドレナリン・ダメ
真琳さんのパートの安定感が増している。初披露で完璧じゃなかったとしても全然問題ないのがアイドルのいいところだと私は思っている。ワンハーフにするという暴挙で、つなぎ部分が機材トラブルみたいな感じになっていた。 - 涙のヒロイン降板劇
これも大好きな曲なので本当はフルで聴きたい。真琳さんの「涙の」も聴きたいし。もう発売時とは全然違う雰囲気の曲になっていて、感情とリズムがより前面に出ている。素質はあっても技術的にまだまだという時期にフレッシュさとかではなくてクールさで新人を演出したのは本当にすごいな、まんまとはまったな、と今頃になって感心している。 - 弱さじゃないよ、恋は
秋山さんがいないので冒頭は河西さんが歌い通す。落ちサビもそうなるかと思ったら岸本→河西→豫風→岸本だった。岸本さん珍しくしっくりきていない感じで、秋山さんのところは難しいパートなんだなと思う。最後のフェイクは八木さんが歌っていて、これも同様の印象だった。 - 断捨ISM
何人かのブログで示唆されていたタオル曲はこれだった。なかなか振るタイミングが多く忙しかった。最後、メンバーの皆さんは割と慎重に投げていた。
衣装
- 秋の夜をイメージしたらしい、臙脂と濃紺を基調とした衣装。全員スカートなのとあまりデザインに差がないのがこの衣装に関しては好ましく感じる。
- 全員ピンク。真琳さんはファーの付いたタンクトップ。八木さんはMCで尻尾がついていると言っていたが分からなかった。河西さんはオーバーサイズのチェックのベストみたいなもの。皆さんぜんぜん違うかたちだったが色で統一されていた。
- アンコール。上下銀で、ブーツも銀。メンバーカラーのラインが入っている。アイドルらしい衣装だった。
つばきファクトリー コンサートツアー 2023秋「可惜夜」
— つばきファクトリー (@tsubakifac_uf) 2023年10月7日
10/7 NHK大阪ホール公演
応援ありがとうございました!
次回は10/21、22 ハーモニーホール座間公演です。
ご来場お待ちしています。https://t.co/E937ElMI7g#つばきファクトリー #可惜夜 pic.twitter.com/sKy6TRhdVV
岸本さん復帰
岸本さんは変わらなかった。髪が長くなっていたことを除いて、やつれたりもせず、歌声の力強さも失われていなかったのには本当に安心した。相当な努力でリカバリーをしたのだと思う。
夏のツアーでは岸本さんの不在よりも他のメンバーの頑張りを感じて、それぞれの楽曲が決して岸本さんがいないと崩壊するようなものではないということを教えられた気がした。そして今日改めて岸本さんがいる楽曲に触れると言葉は雑だが「完成した…!」というように感じた。以前のつばきに戻ったというよりも、より完成度が増したという意味で。明らかにユニゾンの精度が上がっていて、10人で歌う場面の迫力は相当なものだった。この迫力があと1ヶ月限定というのがちょっと受け入れ難い心境だ。儚すぎる。
真琳さんは岸本さんが休養に入ってからずっとブログの末尾に岸本さんへの思いを一言添え続けていて、今日は最後の挨拶に触れて嬉しそうに語っていた。
リトキャメ
「独り占め」を筆頭に今日もリトルキャメリアンの皆さんは最高だった。期待を下回らない。
河西さんはもうなんか佇まいが自然すぎて頑張ってる感じがなくなってきている。新人感がなくなったという意味で。歌い方の幅がまた広がっていて、「あれ今の河西さん?」と意表をつかれることがあった。今日は激しめの曲が特に後半多かったので、そうなってくると八木さん豫風さんに見せ場を譲る点があったかもしれない。繰り返しになるがビジョンに映し出される時の表情が本当に女優(俳優か)だった。元々演技力はあると思うのだが、それが表に出る余裕が生まれてきたのかもしれない。本当に良い。ダンスも安定して良かったし、「夜空の観覧車」だったかのニュアンスの付け方が良いなと思ったはずなのだが脳内で再現できない。
八木さんの活躍の場面がどんどん増えてきて、そのパートの色合いとしても岸本さんの後継者と目されているように思えて仕方なかった。八木さんも歌い方のバリエーションが豊富になってきていて、以前の声楽メソッド込みな歌い方だけでなくそれこそ岸本さんのようなストレートに爆発力のある歌い方もしていた、多分音だけだったら誰か分からなかった。今八木さんが欠席とかするとだいぶ公演全体の印象が変わると思う。それくらい要所要所を担当していた。バースデーイベントを経て力強くなったというのもありそうだった。「ヤギシオリ」コールがだいぶ人口に膾炙してきていて、今日は結構言えた、楽しい。最初はファンも疑問符だらけだったと思うが本人の熱意で実現したのがすごい。ファンも偉い。あとBメロとかで歌に被せるコールの時に、他のメンバーはちょっと間延びするところ「ヤギシオリ」とたっぷり言えるのも良い。最近髪を結っていることが多いのだが今日もポニーテールできりっとしている。ソロパートの時の表情が睨め付けるというか、目を細めてなんとも言えない顔をしているのが印象的だった。ちょうど正面にいたときにキックを見られたのも良かった、たぶんつばきで八木氏が一番高い。遠藤さんといい勝負だ。
真琳さんについてはもういつも書いている通りでかわいい、好き、尊敬、でしかないのだが、今日感じたのはダンスに結構要素を足していると言うことで、特に細かい指の動きが加わっていたり、腕を動かす時の軌道の変化だったりがあった。文字で書いても分かりにくいが。あとはいっときの手足を強く振り回すような(雑な訳ではないけど)ダンスから、要所のアクセントや全身の曲げ方なんかが強調されたより見栄えのするダンスになったように感じた。仮に本人に聞けたとして「違いますよ」って言われそうだけれども。あとはちょっとフリーな時の表情と動きが曲によってはコミカルだったりして、しかもそれが一連の動きとしてスムーズで、新たな一面を開拓しているように見えた。特にアンコールの「断舎イズム」とか楽しかったな。その後の「最上級Story」はバレエの振りを取り入れているのもあって真琳さんの独擅場で、本当に動きが美しい。歌い踊る真琳さんを一曲通して見るのはコンサート会場でないと不可能なので、そのためにも現場に行って真琳さんのパフォーマンスを摂取することが生きていく上で必要だ。それと感じたのはユニゾンについてで、2人でのユニゾンの時に声が聞こえやすくなった。リトキャメ以外では特に小野田さん、山岸さんとのユニゾンの相性が良いようでそれぞれの声も分かるし、重なりも美しかった。
豫風さんは最近髪型とメイクをモデルチェンジしたらしく大人っぽくなった。笑顔とか話し方は元のままなのでよりギャップが生まれて良い感じだと思う。岸本さんが不在の間かなりのパートを受け持っていたが、それが返還されてやや見せ場が減った感もあるが、やはりロックな歌い方は一番上手なので長い目で見れば重要なポジションをどんどん担って行くことになると思う。
ワンハーフが数曲あったことに文句も言ったが、その分曲数が多く、山岸さん岸本さんが卒業する前に歌っておきたい曲、ファンが聴いておきたい曲の数々と言えるのではないだろうか。毎回のことだがいい曲ばかりでセットリストに谷間がない。特に終盤はアップテンポな曲が多く会場全体の盛り上がりと、全く疲れを感じさせないメンバーのパフォーマンスで素晴らしい雰囲気だった。岸本さんの復帰がアドレナリンになっていたのもあると思う。終演後の感想としては今まで見たつばきファクトリーで一番のクオリティーと楽しさという感じだった。武道館での卒業公演は行けないので、中継等で見届けようと思う。