この世のもの

見たものと考えたこと

平安神宮月音夜~京都名月コンサート2023~ 於平安神宮大極殿前特設ステージ

平安神宮でのコンサートにJuice=Juiceが出るということで、観覧しに行った。

Juice=Juiceの10年間、毎年いろいろな会場に行っているが自宅から徒歩で行けたのは初めてだ。貴重な経験だった。今回はBEYOOOOONDSとの合同コンサートで、別の日はポップスの歌手だったり雅楽だったりクラシックピアノだったり。ハロー!でこの2組なのはやはり西田さんと江端さんと川嶋さんという京都出身メンバーがいることも大きいと思う。平安神宮は前を通るばかりで境内に入るのは初めてだ。客席には椅子が並べてあって大会場のアリーナのような感じ、かなり広かった。1000〜2000人くらいは入っていたのだろうと思うが感覚には自信がない。ステージ上には結構照明の設備が多く、フラットだが見窄らしい感じはない。そもそも後ろに大極殿があるので舞台装置としては十分だった。客入れの音楽がないので非常に静かな中開演を待つ。もちろんスクリーンもない。

ちょうど公演の時間帯に雨が予報されていて、客は皆さんそれぞれのレンウェアを準備していた。開演前に神主が出てきて舞台とみなさまのお祓いというのを行っていた。

セットリスト
  1. 夢さえ描けない夜空には(全員)

  2. 英雄〜笑って、ショパン先輩〜(BEYOOOOONDS)
  3. 恋する銀河(BEYOOOOONDS)

  4. プラスティック・ラブ(Juice=Juice)
  5. FUNKY FLUSHIN'(Juice=Juice)

  6. ハンガリー舞曲第5番 有澤(バイオリン)、小林(ピアノ)
  7. 夢幻クライマックス(植村、有澤、江端、石山、一岡、島倉、山﨑、小林)
  8. Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜(段原、松永、川嶋、岡村、平井、里吉)
  9. CHOICE & CHANCE(井上、工藤、入江、遠藤、西田、江口、高瀬、前田、清野)

  10. 眼鏡の男の子(BEYOOOOONDS)
  11. 虎視タン・タターン(BEYOOOOONDS)
  12. アツイ!(BEYOOOOONDS)
  13. オンリーロンリー(BEYOOOOONDS)

  14. シンクロ。(Juice=Juice)
  15. ロマンスの途中 (2023 10th Juice Ver.)    (Juice=Juice)
  16. プライド・ブライト(Juice=Juice)
  17. Magic of Love(Juice=Juice)

  18. ポップミュージック(全員)
それぞれの感想

単純に2組が順に出るのではなく、冬の「〜TWO OF US〜」のアンコール公演の如くの(曲はほぼ違うが)合同コンサートだった。

冒頭は2組が一気に登場する。ステージもそれほど大きくはない(普通のホールくらい?で平面)のでかなり密集している感じ、48とか坂道とかみたいな印象の人数だった。ともあれ24人誰もかけることなく京都にお集まりいただけて本当に良かった。というのも、先週の土日の公演を川嶋さんが体調不良(詳細不明)で欠席していて、その後ブログの更新もなくラジオの仕事も休んだりしていたようなので今週は気が気じゃなかった。前日にブログを更新して京都のコンサートが楽しみと書いていたので出てくれそうだと安心はして向かうことはできた。川嶋さんはばっさりと髪を切っていて、長さとしては「ロマンスの途中」の頃に骨折していた頃の佳林さんくらいか。80年代アイドルっぽいショートボブだ。割と丸顔なので、全体的に頭部が球体に近づいて人形みたいでかわいかった。とにかくそう多くない地元公演に出られてよかった。

冒頭の夜空は後半の合唱が良かった。音源にあるコーラスというかハーモニーの部分を24人の中で振り分けてライブで再現していた(多分)。合同ならではで、この日のための準備を感じる。

その後は個々の楽曲、まずは「英雄」。ステージ上手にはテントの下にグランドピアノが置かれている。小林さんは今日も走行距離1位(適当)だった。BEYOOOOONDSはメンバーカラー衣装で遠目にもわかりやすい。「恋する銀河」は初めて生で見た。こういう大仰な曲は今のグループに特に似合っていると思う。デビューから4年以上が経ってその間メンバーがこていされているので、もう全員が踊れて歌えるグループになっていて、全てがスムーズで高品質だ。コーラスワークとか含めてどんどん高度なことをやっていってほしい。星部さんの歌詞は素敵だなと思うところと狙いすぎだなと思うところとある。

次がJuice=Juice、結構入れ替わりが早い。今のツアーは来週見に行くのでセットリスト知らないのだが、「プラスティック・ラブ」聴けたのが嬉しかった。これ結構久しぶりに聴いた気がする、さくりんご加入後初? 単純に好きな曲なのだが、発売時加入したばかりだった3flowerの進化が感じられたのも良かった。そう言えば江端さんは冒頭のソロパートを担当していたのだった。声の厚みが増していた。アウトロの英語のユニゾンもメンバーが変わってまた響きが異なっていたり、フェイクも担当が変わっていたりするのでまたじっくり聞きたい。この曲のあとだと「FUNKY FLUSHIN'」が妙にBPM速く感じた。自分としては11人がダンスできる状態を見るのが5月の武道館以来だったので、3flowerが中央に集まっているだけで感動的だった。この曲も本来の姿は初めて見たことになる。ウィスパーボイスのところがちょっと頼りない感じだったのがしっかり植村さんを迎え撃つ安定感になっていたのが嬉しかった。あと有澤さんがいつも「everybody!」って煽るところ聞き間違えでなければ「神宮!」って言っていた。

衣装は前回ツアー衣装の紫の方。お腹が出ている方が多いのだが、皆さん腹筋が美しい。たぶん別に太っていなくても贅肉が引っ掛かって見栄えが良くなくなりがちなのに、日頃鍛えてるのだなと感心する。ブログには食べ物のことばかり書いてあるのに陰の努力だ。

京都出身の3人によるMCがあったのだが、川嶋さんが退場してしまっていて呼び込まれていた。江端さんは開演前から緊張していたらしい。楽屋でソワソワしていたんだろうな。もう少し京都トークをするのかと思ったら、時間の関係かあっという間に終了。ちなみにこの公演は終了時間が予定とは言えチラシ等に明記されていたのが自分のいつも行く範囲では珍しかった。

このあとは混成ユニット。グランドピアノの小林さんとエレクトリックバイオリンの有澤さんによる演奏(メロディは知っているのだがクラシックの曲名がわからない)があって、そこからの「夢幻クライマックス」。これは冬のコンサートの再演で、本当に素晴らしかったのでまた見られたのが嬉しい。夢羽さんと石山さんの声が特に効いていると思っている。植村さんは25周年コンサートでも℃−ute曲に参加して同曲を歌っていて、持ち歌のような馴染み方をしていた。冬はダンスパフォーマンスだったグループが歌唱になっていて、「Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜」を歌っていた。公演タイトルにかけた選曲かと思う。当時いなかった川嶋さんはここに入っていて、他の方々と遜色なくパフォーマンスしていたし、しっかりソロの歌割も担当していた。25周年の時もそうだが、Juice=Juiceの曲を覚えるだけでも大変なのにカバー曲もしっかりこなしているのが本当に頼もしい。髪型といい体格といいダンスのキレといい、5人時代の佳林さんをどうしても思い出してしまって妙に甘酸っぱい気持ちになる。この曲は元々がダンスメンバーとはいえ段原さんも松永さんもいるので歌の力強さは十二分だし、里吉さんはもう何歌っても大丈夫な人にいつの間にかなっていた。

「CHOICE &CHANCE」もボイスパーカッションの2人が冬に続いてセッションを見せてくれていた。今回は割とアレンジは穏当な感じではあった。この曲について言えば工藤さんがいれば成立するくらいに目立っているし重要な役割を負っている。19歳になったばかりだけれども、別にパフォーマンスで落ち着くつもりは一切ないですよという表明に見えるくらいにいつも以上に激しいダンスをしていた。それは公演を通じて。なんか視界の端の方にすごい角度で体を折り曲げていたり髪の毛を振り乱していたり腕を振り回していたりする動きが見えたとしたらそれは工藤さんだった。本当に見ていて楽しい。最大24人とかいるステージを見ていると気づくのが、工藤さんの隣にいる人は動きがつられて大きくなりがちということで、そういう一角がステージ上に発生しているのが面白かった。曲の話に戻れば、このユニットでは遠藤さんの「good bye」が聞けるのが嬉しい。金澤さんのに結構雰囲気が似てるんですよね。

ここから後半戦はもう一度BEYOOOOONDS→Juice=Juiceの流れ。それほど長いコンサートではないが、MCも衣装替えもほとんどないので曲数は思ったより多かった。

「眼鏡の男の子」、これはもう衣装も髪型も全然前提が違うので知っている人が見ないとなんだかさっぱりだと思うが客層的には問題ないのだろう。冬のコンサートではJuice=Juiceがカバーしていて楽しかった思い出がある。5年くらい歌い続けているので一岡さんの台詞以外は洗練されきっていて、ダンスのシンクロ度合いも素晴らしく、むしろ今見るとSeasoningSの3人にソロパートがないのが意味不明に感じる。

「虎視タンタ・ターン」は近年のピアノボイスパーカッションのみから始まるパターンでひたすら実力を見せつける楽曲で個人的には一番好きな曲だ。ずっと歌い続いける疾走感が良い。高瀬さんは「へー、やるじゃん」のところを「やるじゃん、京都」と変えていた。「アツイ!」はブロワーとかラケットとかはちゃんと用意してやっていた。この曲とか見ていても、初期のように里吉さんと平井さんが踊りで華を添えるという感じでもなくとにかくみんなよく踊るという感じだ。そして大体みんな歌が上手い。「オンリーロンリー」はコンサートが終わりの雰囲気になるし、なんかいいものを見たという感想も自然に生じてくるすごい力のある曲だと思う。

Juice=Juiceは「シンクロ」から始まる。最近はよく演じられているが、メンバーの増減があったり卒業を控えたりと発表当時以上にイベントの多い最近だからこその歌詞の響きというのがあると思う。この曲の振り付けが遠藤さんのダンスによく合っている。ちなみに最近ヘアアレンジを始めた遠藤さんは今日はかなり編み込み等凝っていて、額が出ていた。なかなか広い。コンサートを通じて見慣れてくるとかわいい。大体鋭角な顔の部品の中で頬がちょっと丸いのが遠藤さんのチャームポイントだと思っているのだが、額と頬のバランスが絶妙だった、自分でも何書いているのかよくわからないが。

遠藤さんの自撮りはないらしい

そして「ロマンスの途中」は期待していた「Juicetory」収録の2023 10th Juice Ver.だった。イントロは今までの印象的なビブラフォンっぽい音ではなくだいぶアレンジが違ったが、始まってしまうと大枠は原曲通りのアレンジで、全て楽器は撮り直しているっぽくて生演奏の比率が上がっていた、多分。あくまでも打ち込みっぽさのあった原曲からビッグバンドが後ろにいるかのような感じになって高級感が増した。今のJuice=Juiceの雰囲気にも合っていて、いろいろな感慨で涙が出てきた。川嶋さんにもソロパートがあったのだが、どこだったかは思い出せない。”updated”や”Memorial Edit”とは違って原曲の特長を変えてしまっているわけではないので、今後はこちらが定番化してくのではないだろうか。早くまた聞きたい、多分ツアーに入っているかな。ちなみにもう一曲「Wonderful World」がリアレンジのはずなので、今日の披露はなかったが、CDかツアーで聞くのが楽しみ。「プライド・ブライト」で印象的だったのは松永さんの動きがかなり自由だったことで、フォーメーションを崩すわけではないのだが、本当にちょっとした隙間にフリーな動きやステップを入れているのに気づいた。たまたま今日見ただけで普段からやっているのかもしれない。「プライド・ブライト」は間奏が各メンバーのダンスの良さが感じられるものであったり、V字型のフォーメーションだったりと、なんだかヒーロー集団という印象があってそこが好きだ。客席から眺めていて、このグループを今ここで見られることそのものの幸せが体の中に染み渡ってきて、こんなものは誰とも共有できない感覚だなと思った。私にとってのJuice=Juiceは私だけのものだ。それぞれのファンにそれがあるのだと思う。「Magic of Love」は座っている人がいるとなかなか大変そうだったので、皆さんが自由に動ける状態で見られて安心感があった。石山さんがずっと不審な動きをしていて、結構先輩にも絡んでいていい徴候だ。ちなみに石山さんも今日は額を出していた。遠藤さんと入江さんが隣になる場面が多くて、結構背の高さが違う微笑ましい組み合わせだった。平和だ。

その後にMC、ここも短めでそれぞれ各グループ1名ずつ、西田さんと川嶋さん。西田さんは6歳までしか京都には住んでいなかったけれども京都に来ると安心する。私はここで形成された的なことをもっと変な言い回しで言っていた。最後にみんなで歌ったのは「ポップミュージック」だった。今日のコンサートはカバー曲多めだ。オリジナルもカバーも他者の詞曲なのだから全く問題ないと思うけれども。さて今日の工藤さんについては先ほど書いたとおりでこの曲でおとなしくしているはずはなかった。体の使い方が本当に随一だ。基本的にはもとの歌割にBEYOOOOONDSの方がユニゾンするような感じでダブルで歌っていたのだが、要所はソロで。植村さんの「ちゅるちゅるぷにゅぷにゅ君のタピオカミルクティ」をあと何回聴けるのだろうと思うとしんみりしてしまった。

結局最後まで雨が降らず、来場者特典のどら焼きをもらって帰る。その後夜中に豪雨になり、公演中でなくてよかったと思った。中止になるレベルだったので。そう言えば、ステージ上が明るいため公演中はたくさんの虫が舞っていたが、パフォーマンス中は誰も気にするそぶりを見せないのにMCとか暗転中は結構払っていたのは、結構なレベルで苦手な人いると思うがさすがだ。フェスとか色々出ていて慣れているのかもしれない。