この世のもの

見たものと考えたこと

Juice=Juice 10th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~10th Juice at BUDOKAN~

日本武道館公演、前回は中継を見たけれども今回は10周年のめでたい席だしということで参列することにした。平日だとしても月曜日だと日程を組みやすくてありがたい。

Juice=Juice武道館公演ではほぼ2階席を引き当てるのだが、今回は「TRIANGROOOVE」以来のアリーナ席だった。センターステージの真横だったので、双眼鏡で見ると横に並んだメンバーが圧縮効果で視界に結集され、ヒーローみたいで楽しかった。わかりにくいですね。

ステージは標準的なもので、ひな壇付きのメインステージとセンターステージ、花道が左右に。あとは大きなLEDスクリーンが後ろにあって、照明がたくさん。以上! せり上がりも炎も銀テープもなし。コロナ禍以降のハロー!のステージは簡素化の一途を辿っている。まあ特に困ることはないけれども。映像は一時期以降だいぶ格好よくなったし、メンバーを映してくれることが多くなった。

セットリストは想像以上にツアーと重なるところが多く、というかツアーの曲を全部やっていて、そのうえで新曲、アンコール含めて数曲が追加されていた。しかし、同じ曲でもアレンジが加わっていたり、演出が異なっていたり、そして何よりメンバーの様相が違ったりしたのでそのあたりを含めて感想を書こうと思う。

そもそも、声出しが可能になってから私が参加した単独コンサートが初めてで、コロナ禍突入前だと「octopic!」が最後だったので、その感慨がまず大きかった。その時いたメンバーは4人だけだ。大阪城ホールで少しリハビリはできていたとは言え、色々なグループのファンが居る場だったので今回の会場の濃度は本当に久しぶりに味わうものだった。ファンの声援でメンバーが乗って、それにさらに声援で応えるというのは綺麗事ではなく実際の現象であるし、それを起こせるタイミングと声量というのは公演の中で、そして公演を重ねる中で徐々に作り上げていくものだろうと思う。その意味ではこの武道館では端緒として(まあ私が見ていないだけでもう声出し可でツアーしているのだが)希望が持てる雰囲気だったし、既に終盤の盛り上がりは感動的だった。

セットリスト
  1. ロマンスの途中
  2. イジワルしないで 抱きしめてよ
  3. 裸の裸の裸のKISS 
    MC(川嶋さんの紹介、メンバーカラー発表も)
  4. プラトニック・プラネット
  5. Future Smile
  6. 全部賭けてGO!!
  7. ノクチルカ
  8. シンクロ。 
    MC
  9. チクタク 私の旬/有澤、入江、江端、石山、遠藤
  10. 背伸び/工藤、松永、有澤、入江、石山
  11. SEXY SEXY/植村、段原、井上、工藤、松永
  12. 愛のダイビング/植村、段原、井上、江端、遠藤
  13. プライド・ブライト
    MC
  14. あばれてっか?!ハヴアグッタイ
  15. GIRLS BE AMBITIOUS
  16. STAGE~アガってみな~ 
  17. 微炭酸
  18. 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
  19. 選ばれし私達
  20. CHOICE & CHANCE
  21. Never Never Surrender 
  22. Goal~明日はあっちだよ~ 
    ENCORE
  23. ポップミュージック 
    MC(挨拶)
  24. Magic of Love (J=J 2015Ver.)

こうやって書くと結構MCがあるのだが、印象としては今日もとにかく歌い続けた印象だった。歌がメインのグループというのはと言うのはブレていない。

一方でダンスの見栄えとか、揃い方なんかを見ると隔世の感があるし、特技をそれぞれ生かしたパフォーマンスをしているのも今だからこそ見られる姿で、10年経ってこんな様相のグループになったのかという感慨もある。

5人の時の曲でも10人でよりよくなった曲もある。過去の感想にも何度も書いたと思うけれども、オリジナルの5人はそれぞれが個性的な歌声をしていて、唯一無二の歌割を作り上げていたのを、今の10人は(人数が多いというのもあるが)1対1で受け継ぐのではなく、複数のメンバーが重なり合うように引き継いでいる。それぞれの個性と技術と責任感がまた新たな響きと感動を生んでいて、その象徴的な存在がどんどん凄い歌い手になっていく工藤由愛さんだと思う。

印象に残ったシーンなど
  • 川嶋さんは3Flowerと同じくらい(と思ったけど後で写真を見るとちょっと高いかも)。ヒールのある靴を履いていた。
    メンバーカラーの発表と皆さんの声援で涙。金澤さん卒業以来、ついに赤が埋まった。似合っている。
 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

宮本 佳林(@karin_miyamoto.official)がシェアした投稿

 

  • プラトニック・プラネット」はイントロ部分でゆめりあいがコーラスを追加していた。とにかく今は10人いるのだからいろんなことをやって、人数のメリットを活かしてほしいと思っているので、讃えたい取り組みだ。11人になってからも色々試してほしい。
  • 取り組みといえば「Future Smile」の有澤さんはバイオリンを最後まで弾き続け、間奏明けのソロパートでは段原さんも植村さんも意図的にメロディを変更してバイオリンに合わせていた。原曲のインストを聴くとバイオリンはソロのみなので、そのあとは新たに練習した(オルガンとかピアノのパートを弾いていると思われる)のだろうから、それを武道館で初披露するのは並大抵のことではない。
  • そこから「全部賭けてGO!」へのブリッジというか、有澤さんはバイオリンを続けつつ、そこに井上さんのボイスパーカッションが入って、さらに植村さんと段原さんのコーラスが加わるという部分があった。初見であるので、何か見たことのないことが起こっているという興奮とうまくやりきれるだろうかと気を揉むのとで大変だった。とにかく素晴らしいチャレンジで、いい時間だった。どんどんやってほしいし、入江さんの和太鼓もいつかコンサートで見せてほしい。
  • 新曲「プライド・ブライト」(ブライト・プライドじゃないのか)はラジオで放送されたものを聴いていたが全編は初めて聴いた。MVを見たあとで放送を見返したが、すでに音源より勢いがあって好きかもしれない。Juice=Juiceは初披露の時のクオリティが高い。格好いいし、声出し解禁に合っている曲調だと思う。終盤にもうひと展開あると思ったが、割とシンプルな構成だった。MVについてはまた書きたいけれども、山崎あおいさん詞曲というのは意外だった。しかしまあ、何度か歌詞を読んだり曲を聴いたりしているうちに納得してきた、いい加減なものだ。私がこの曲で好きなのは2番の2人ずつ歌って行くところで、2人の声の組み合わせが楽しい。初期の「Goal」を初め、そういう部分がある曲は最初から高得点だ。工藤石山、井上江端、松永遠藤、段原入江、植村有澤の順。割と似た傾向の声質を合わせている感じで心地いい。
  • 「ハヴアグッタイ」は楽しい。楽曲として生き延びているのがまず素晴らしいし、今演じる理由がある。もともと音源にガヤが入っているくらいで人数が多い方が様になるし、観客も声出ししてこその曲だ。
  • 「選ばれし私達」ずっとあまり好きではなくて、その理由は色々あるのだが、今回の公演で見てちょっと好きになってきたかもしれない。少なくとも苦手意識はほぼなくなった。人数が多くなって振り付けの格好悪さが気にならなくなったのと、全員の歌唱力で歌詞の飲み込めなさがねじ伏せられているのがあるかもしれない。もともとメンバー内の人気は高いので私がただぐずぐず言っているだけだ。「返ってくる!」コールは未だに謎だが。
  • 「CHOICE & CHANCE」でもメンバーカラーにメンバーを染め上げるスポットライト、ホールでもやっていたがより鮮明で美しく感動した。
  • 「ジュース、もう一杯」を本当に久しぶりに言ったし聞いた。そもそも声だしに関わらずホールコンサートでアンコールがない昨今。今回ついに初アンコールを聴いたメンバーが半数というのがコロナ禍での時間の経過を物語っている。そういえばいつも「ジュース」のほうを言っていたなと思って今日もそうした。
  • 「ポップミュージック」に関しては工藤さんの独擅場。あの曲で謎のスイッチが入る工藤さんを見る楽しみは何物にも代えがたい。
  • 「Magic of Love」の松永さんソロパートでの裏声、気持ちよかった。段原さんも「ひとそれ」冒頭のソロにビブラートを入れたり、植村さんは大舞台になると長めに歌ったりメロディをちょっと変えたりとそれぞれの工夫や感情の発露が見られた。ソロパートについては細かい歌い方の変更は音源からどんどんしていったらいいと思う、ライブなのだから。
メンバーの皆さん

今回もミントグリーンにしたサイリウムを振っていたが、やはり気がつくと遠藤さんを探してしまう。手脚の長さが普通ではないのは前からだが、ちょっと筋肉が復活してきたのか肉付きが良くなった(表現が悪い)のか、シルエットがより美しく曲線的になった。ダンスの美しさは相変わらず。新曲もまだソロはないなど歌の出番は限られるが、ユニットの時の声はしっかりしていて低音の魅力も出ていた。最後、自分の挨拶では泣かなかったものの先輩の挨拶中に泣き出してしまったようで、「Magic of Love」は眼を光らせながら歌っていた。先輩になる不安とまだ最年少という安心感が両方あるみたいだ。
双眼鏡越しに遠藤さんを見ていると脳に何かが分泌されてくるらしく「かわいい…」ということしか考えられなくなる。ソロパートが少ない分、中継や映像作品ではどうしても映る時間が短くなりがちな今は、とにかく現場に行って見ないと摂取量が足りない。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

植村 あかり(@akari_uemura.official)がシェアした投稿

終演後の泣いている遠藤さんの様子。

石山さんが伸び伸びしている。特に煽りが上手で、アドリブ力もあるしタイミングもいい。本人の良さというか自由さが出ていて、突然遠藤さんに交代したりする。あとは表情が見違えるように多彩に。初期は緊張からか真顔と笑顔の2パターンな感じだったが、どの曲でも曲のイメージや歌詞に合った表情をしていて、いろいろと発見があった。相変わらずカメラに向けてウインクしたりしているし。ダンスの動きも大きくなっている。手足が長いので大きく踊ると迫力がある。コンサート通じて楽しそうだった。

江端さんが歌の面で開眼しつつあって、今回の一番の驚きだった。ひなフェスでソロをやったのが一つのきっかけになっているかもしれない。特に愛のダイビングから新曲にかけて、歌の中核メンバーになっていた。ちょっと耳に痛いような研修生っぽい歌い方からハスキーボイスをいかした歌い方になってきていたのが、さらに声に厚みが増して魅力的になっている。声質を活かしつつ聴きやすい歌声だった。ボイトレとかカラオケでの練習とか頑張っているのはブログからも伝わってきているので、それが実を結んでいる感じだ。これからもどんどん歌割を獲得していくと思うので楽しみだ。いつも思うのだが、この人はアイドルというか人として完璧なのではないだろうか。ダンスは軸がしっかりしていて信頼感がある。

有澤さんも八面六臂の活躍でJuice=Juiceになくてはならない存在になっている。もともと能力が高いのは分かっている人で、あとはそれをうまく発露するだけなのだが、だいぶ現れてきた。もともとファンだった割に、どのパートを担当しても前に担当していた人の影が感じられないのがいいところで、もう有澤さんそのものになっている。歌い方も表情も癖が強い。なんというか、肩辺りからもう顔みたいに表情を作る。

松永さんはいつの間にか大人っぽい人から大人になっていて、新曲が出るたびにしっかりいいところを担当している。ちょうど今メンバーの中間の立ち位置にいるのだけれども、先輩からも後輩からも信頼されているのがどの場面からも伝わってくる。どの曲もしっかり決めてくれるので見ていて安心感がある。けっこう歌詞を変えて「武道館」を積極的に入れていたのが印象に残った。

工藤さんは時々怪しいパートはあるけれども、それ以上に高音ロングトーンのときの破壊力がすごい。以前は例えば高木さんのパートとかを歌いきったことに感動していたが、今はその響き自体に感動している。ダンス
あとはもうMCの澱みなさ、たぶん最後のMCは急ぎめの指示が出ていたと思うのだが、バーっと喋って「良い眠りを。」で締め、会場がざわざわしていた。

その後に喋りにくそうにしていたのが井上さん。どんな曲のどんなパートでもオリジナルかのように歌いこなすのがすごい。こぶしの頃にほとんど生で見ていないのであれですが、たぶんJuice=Juiceに加入してからもだいぶ上手くなっていると思う。「あばれてっか?!ハヴアグッタイ」と井上さんの相性がすごく良い。がなりもうまく取り入れていた。他の曲もどんどん好きなようにアレンジして歌っていってほしい。ちなみに私の席のまわりはれいれいコールが多く聞こえた。

後輩の成長でいっときに比べると負担の減った段原さんだが、コンサート通じて見るとやはり屋台骨だった。新曲もしっかり歌いだしを担当しているし。去年くらいからもう一段階大人っぽい表情の作り方になったのと、細かい歌い方の調整を公演ごとに行っているのを感じる。ソロイベントも好調のようだったので、今後もそこから還元されてくるものがありそうで楽しみ。

2013年末くらいからたぶんずっと上手くなったと言われ続けている植村さんは今日も上手くなっていた。リーダーになったときや稲場さんが抜けたときは大丈夫かなと思ったが、本人の喋りも思ったより安定しているし、れいるるも支えているので心配いらなかった。前述したが大舞台仕様の歌い方だったり煽り方だったり、後輩に伝えている感じがしてリーダーらしさを見せてもらった気がする。

Juice=Juice

10人という人数自体は多いとは思うのだが、1人1人が魅力的に育っている事自体は疑いようがない。オーディションや研修生の段階でよく見極められるなー、と感心するとともに、加入後の本人や周囲の努力によって成し遂げられているものだとも思う。見本がたくさんあるJuice=Juiceは優れた環境ではないだろうか。

一方でJuice=Juice的なパフォーマンスがあるかというとそうでもなくて、みんな同じではない。それぞれが周りに合わせないし、同じことをしていない。あえて違うことをしようというより、自分がどうやったら1番輝くかだけを考えている結果なのかなと思う。
やりたいことも大切にしているし、できることも大切にしている。個性と言えば個性なんだけど。人間みんな本当は個性あるんだよ!と伝えているかのように思ってステージを見ていた。

Juice=Juiceの歌割は均等ではないけど比較的平等で、もとの歌割+適性で与えられていると思う。適性があると、有澤さんのフェイクとか新曲の江端さんみたいになる。石山さんと遠藤さんにソロがないのは、歴もあるけれどもそれ以上にまだ適したパートが存在しなかったということだと思う。2人がセットではなくなったので、また次のシングル、もしくはもう一曲での活躍はあるのかもしれない。

SNSなど

Juice=Juice武道館の時はいつも読まない人のブログ(失礼な話だが)もチェックして感想を読んでいる。

里吉さんのコメントが熱い。私が上記で上手く表現できていないことを書いてくれている。当日にこれだけの文章をさっと上げられる里吉さん素晴らしい。

広瀬さんもInstagramに熱い文章を載せていた。バックグラウンドとか人間関係をほぼ抜きに私たちと同じものを見て同じことを考えていることに感慨を覚える。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

広瀬彩海(@ayaka__hirose)がシェアした投稿

工藤さんのブログも。「恩返し」という言葉を選択するところに人格が現れている。

井上さんのブログ。コロナ後に入った人だったということを忘れるくらいの定着ぶりだ。

佳林さんは私が見たいものを妄想しているので実現に期待したい。

 

そんな感じでした。あとはもう、ずっとMV見てます。