この世のもの

見たものと考えたこと

52OSAKA ~Girls Castle~ 於大阪城ホール

FM大阪の主催コンサート。52は”Go to”と読むらしい。なんなの。大阪城ホールNHK大阪ホールからも近いので、帰りにそばを通ることはあったが中に入るのは初めてだ。

出演はJuice=Juice、私立恵比寿中学、BEYOOOOONDS、22/7(公式サイトに載っていた順番だけど、何順だろうか)の4組で、関西出身の多いグループが選ばれたのかな。私立恵比寿中学は違うかもしれないけど、きっと何かの縁があるのでしょう。

会場は客席の半分くらいしか使っていなかったが、その上スタンド席は6割くらいの埋まり具合だった。3000人くらいいたんだろうか?なんとなく日本武道館で行われたFullコーラスのイベントを思い出した。どの客層が圧倒的に多いということもないが、まあ半分はハロー!なので合わせて多数派といった感じだったろうか。そもそも圧倒的に人気なグループがいれば客席はもっと埋まっている。

このコンサートの(今時点での)特徴が客席での起立及び声出しがOKだということで、私にとっては2019年のJuice代々木以来のことだ。Juice=Juiceでいうと3flowerから後のメンバーはおそらく声援を浴びたことがないのではないか。江端さんは研修生の時にあったか。CDJ2223は歓声は良いけどコールみたいなのは駄目だったのかな?多分。

22/7

曲もメンバーも全く知らないアイドルを見るという経験もヤナミューの対バンライブ以来な感じだが、秋元康SONY MUSICとANIPLEX(何かの会社だと思う)のプロデュースのデジタル声優アイドルと名乗っていた。デジタル声優が何なのかは見ていてもわからなかったが、独自なパフォーマンスをとても楽しんだ。明確に初期の乃木坂を意識したっぽい曲調と歌詞に、さらにストレートな散文が乗せられている。乗せられているというのが本当に後ろで歌っている中でセリフを言っているので凡人には両方の意味を捉えることは不可能だ。特に冒頭の「命の続き」(イントロがsora tob sakanaみたいで好きだった)や「ヒヤシンス」などはそんな感じの楽曲だった。あとは「曇り空の向こうは晴れている」が乃木坂+αが一番楽しめるかも。それにしても「死にたい」って若い人にこんなに歌わせるのは考えものだ。と、割と暗めの曲が多かった中、「タチツテトパワー」というテンションの高い曲もあって盛り上げていた。ヘッドセットマイクで、セリフは生だったが歌唱の方はライブ用の音源を流していたのかな。ちょっとわからなかった。声優アイドルというからみなさん所謂アニメ声なのかと思ったらそんなことはなくて、歌唱力も演技力もバラバラで面白かった。

みなさんアニメキャラクターそのもの見たいな芸名をされている。涼花萌さんが井出ちよのさんを万人受けするテイストにした感じでとてもかわいかった。動きも笑顔も素敵でした。プロフィール見たら京都府出身だった。嬉しい。後は宮瀬玲奈さんがちょっと信じられないくらい顔が整っていて浮世離れしていた。MCも淡々としていてクールでした。卒業間近とのこと。あとは中西優香さんみたいな方とか城恵理子さんみたいな方とかがいて10数年くらい前の記憶が呼び覚まされるところがあった。

BEYOOOOONDS
  1. 虎視タンタ・ターン
  2. 待ち合わせはJR梅田駅で/CHICA#TETSU
  3. ワタシと踊りなさい!/SeasoningS
  4. 循環/雨ノ森 川海
  5. ニッポンノD・N・A!
  6. 求めよ…運命の旅人算

限られた曲数をユニット曲にしたのはさすがだと思った。BEYOOOOONDSの芯がそこにあるということだと思う。「循環」が圧巻で、雨ノ森 川海は5人という今ハロー!で他にいない人数のグループなのだが、全員の歌唱力が高まっていて、特に岡村さんの安定感が増し清野さんが成熟したことで(最近こういう文章を変換するとタコが出てくるようになった)聴いていて全く凹凸のないパフォーマンスになっている。フィギュアスケートでノーミスの演技を見ているような蓄積する興奮がある。

一方で12人としての団結力もどんどん高まっていて、そもそもこの年げつ増減なしで続けているということはそれ自体素晴らしいし強みになっていないわけがない。「DNA」の会場の熱狂はかなりのものだった。文字通りある年代以上の人にはあの曲調は無条件で興奮を呼ぶのかもしれない。あとはもちろんこのセットリストでは唯一コロナ禍前に存在していた曲だったので、その時の気持ちを呼び起こすという意味でもいい選曲だった。新曲は初めて聴いた。この曲はコールアンドレスポンスがあるのだが、貴重な練習の機会だった。BEYOOOOONDSは最近ハモリを積極的に導入している気がするが、この曲も要所要所で様々な組み合わせのハモリを入れていた。楽しい。セリフもダンスも歌唱もどんどん複雑化していて、「虎視〜」も相当な難曲だと思うが、この新曲もすごい次元に到達してると思った。う

帰り道で「2番目の子らうまかったなー」という会話が聞こえた。

番組公開収録

中山さんと桜木さん×植村さんと入江さん

あるあるを話すというぼんやりしたテーマだが、所謂オープンクエスチョンなのでトークが広がりやすかったかもしれない。Juice=Juiceはイベント後の楽屋やバスで大合唱している。今は「ゲレンデがとけるほど恋したい」が定番になっているらしい。なぜ? 中山さんは普段は素の状態で現場に入るが、合同イベントだとしっかりメイクしてから行く。Juice=Juiceはあんまり共感していなかった?

入江さんがトークに出たのはエビ中のファンだからかな。桜木さんが一番好きということで、同い年らしい。調べたら加入時期もそんなに変わらなかったので、デビュー後も結構追っていたのかもしれない。全然目を見られないということで入江さんはずっと横ではなく正面を見て喋っていた。最終的にはLINE交換の約束をしていて良かった。

  • BEYOOOOONDS × 22/7

西田さんと江口さん×白沢さんと椎名さん

あるあるは楽屋で小芝居が始まること。どちらのグループでもあるみたいだった。声優というだけあって22/7の方々声の作り方が上手だった。西田さんは実演を嫌がっていたが、実際にはあまり参加していないらしい。ステージ上以外では「沈黙の女」だと言っていた。家ではずっと寝ていて、ソファで寝るのが好き。西田さんのブログあまり読んだことないが、仕事のことをいつも書いているんだろうか。ビヨはセリフだけの練習をする日もあったりするらしく、22/7が曲中のセリフがずれないのに感心していた。白沢さん曰くリズム感のあるメンバーがうまく調整してくれるという信頼のもとやっていると。22/7の人たちはお話が上手だなと思った。

私立恵比寿中学

セットリストをストリーミングサービスにて共有するのすごいな。私立恵比寿中学を見るのはエビネギ3を新潟で見て以来だ。その時いた人で今日いたのが4人で、星名さんは怪我をしていていなかった。あとの5人はその後の加入だったので、もう全然違う印象のグループだった。エビネギの時はキャリアの長い少数精鋭だったのが、リアル中学生もいる。人数やメンバー間の年齢差で言うと今のハロー!のグループに近いかもしれない。

やたら背の高いロングヘアの人が目立っていて、小林歌穂さんだった。いつの間にあんなに大きく髪が長くなったのか。動きのダイナミックさもあって新しい学校のリーダーズの人みたいだった。同じような髪型の風見和香さんは初めて見たが顔立ちが強くて、中学生だとは感じさせない堂々とした立ち居振る舞いが印象的だった。仲村悠菜さんも中学生のようだがこちらは小柄で子供らしい風貌だったが、声も表情も落ち着いていた。漫画に出てくるようなクールな美少女という感じだった。中学生メンバーもハロプロ研修生で見られるような声がまだ出来上がっていないのとは違った仕上がった感じの発声をしていてみなさん上手だった。「不安定な歌唱力」な人はもうエビ中には入れないのかもしれない。小久保柚乃さんは「B.L.T.graduation2022中学卒業」など書面で見かけてはいたが生で見るのは初めてだった。表情が個性的というか、他のアイドルで見られないような感情表現をしているのでずっと目で追ってしまった。曲中も普通の笑顔をしていることはほとんどなくて、口を真一文字にして頬を膨らませたり、眉間に皺を寄せたり、ちょっと怒ったような怯えたような真顔だったり、どれくらい意図的にやっているのかもわからない。「報連相ファンク」での顔芸はみなさんなかなか恐ろしかったが、小久保さんもひょっとこみたいな顔でインパクトがあった。アイドルとしての魅力にあふれていた。

終盤に有名曲を畳み掛けた時の会場の熱気は凄かったし、若い人々含めて10人が均等に近い形で歌い上げていくのは実力者集団という感じがした。Juice=Juiceと人数と経験年数の構成が似ているので(もちろんエビ中の初期メンバーはかなり先輩だが)、Juiceの若手のみなさんも触発されるところが多いんじゃないかと思う。

B.L.T.graduationで同時に載っていた(と言うことは同学年の)お二人がともにブログに写真を載せていた。仲良いらしい。

今日の江端さんはいつも以上に顔(メイクも表情も)が完璧だった。画面に映った時に見惚れてしまった。現実味がないくらいだった。

Juice=Juice

そんなに熱心に声援を送る方ではなかったのだが、今回ばかりは声援をしっかりしようと心の準備をしていた。Juice=Juiceのアカウントもしっかり準備していた。

*1

ということで、今日は「ここだよりさち」を叫ぶのが最大の目的という感じだった。声援OKの機会にMoLをやらないわけはないと思ったので。

  1. 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
  2. STAGE~アガってみな~
  3. Borderline
  4. OSAKAグライダー
  5. Fiesta! Fiesta!
  6. 全部賭けてGO!!
  7. Magic of Love (J=J 2015 Ver.)

対バンコンサートなので、登場前に例のSEが流れる。これっていつから使われてたか記憶が定かではない。ファーストツアー?違うか。とにかく長いことこれだ。なんとなくみなさん「オイ」も探り探りだったがちゃんと倍速になるところは忘れていなかった。

大阪城ホールのステージに立つJuice=Juiceが見られたのが嬉しいし、登場シーンではなぜか久々に見るような感動があった。さて、代々木の時までは当然「カリン」と声援を送っていた訳なのだが、今日困ったのは全員が揃った状態に対してなんと声援を送ればいいのか。箱推しだからって「Juice!」って叫ぶ人はいないと思うので結局結論が出なかった。せっかくだし「あーたん」って言えば良かったかも。それと、周りがみんなJuice=JuiceやHello! Projectのファンではないので、どうしても濃度が薄いというか、周囲に合わせてという感じにはできないのが難しかった。なかなか負荷の強いリハビリだ。

植村さんはMCでしきりに大阪城ホールに立つのが結成時からの夢だったと言っていてとにかく嬉しそうだった。今日の植村さんは今まで見た中で一番仕上がっていて、完全無欠なアイドルになっていた。本当に女神のようだった。外見や歌はもちろんなのだけれど、イントロに被せる客への煽りだったりも決まっていて、そんなこともできる人だったのかと感動してしまった。あまりに素晴らしくてこのままいなくなってしまうのではとちょっと不安になるくらいだった。

1曲目はもう他の曲をやるのが怖いんじゃないかというくらいに「ひとそれ」だったのだが、客の声援がまだあった頃の曲なので、コールが確立しているという意味でも1曲目に良かったと思う。この曲は結構コールを入れる隙間が狭いというか、タイミングが要求されるのを思い出した。しかも歌割を確認しつつ愛称を思い出しつつだったのでなかなかだった。落ちサビを松永さんと入江さんが今は担当していて、以前見た時は入江さんが気合い入りすぎている感じだったのだが、表情も発声も格段に落ち着いたものになっていた。頼もしい。

ソロコンサートではそんなに思わないけれど、こうやって厳選された楽曲で見るとまだまだ歌割は段原さんに頼るところが大きいと感じた。後は井上さんと植村さん。キャリア的にも実力的にも自然なことなので、むしろ井上さんが加入からの間にここまで重責を担う人になったことが例外的にすごいのだと思う。とにかく段原さんあってのJuice=Juiceであることを改めて認識させてくれた。

井上さんといえば「STAGE」で大阪城ホールにボイスパーカッションを響かせてくれた。ちょっと見ないうちにまた上手くなっている。そして大舞台に強い。客のコールの中で響くボイスパーカッションはとても感動的だった。

「ノクチルカ」じゃなくて「TOKYOグライダー」をやったのが意外だったが嬉しかった。大好きな曲なので。この曲はどれくらい久しぶりなのだろうか、記憶が定かではない。まだ段原さんが年少メンバーの時に歌い出しを獲得していた歌でもあるし、どんどんやってほしい。2番のソロを繋いで行くところが特に好きなのだが、今のメンバーのリレーも力強かった。そして「Tokyo Night」という歌詞は「Osaka Night」に。曲を知っている人はどよめいていたが、知らない人には大阪の歌あるんだーという感じだったかもしれない。特にその後のMCでも説明していなかった(いいと思うけど)。こういうことができるグループになったんだなーと感慨深かった。

「Borderline」もコールが欲しい曲なので入ったのかもしれない。特にスーパー里愛タイムがあるし。私は自分が発声していると歌がよく聴こえないのでしないけれども、コールが歌に重なっている状態自体は嫌いではない。この曲は最近結構やっているので安定感がある。ちょっと前のライブ映像見返したらみなさんの幼さに驚いた。すごいな今のJuice=Juice。

どの曲か忘れた、というかまあどの曲でもなのだが工藤さんと松永さんのユニゾンが強力になっている。今日は工藤さんが特に高音が鋭いというか迫力のある声質に感じられた。会場のせいかもしれないけれども、とにかく今までと少し違っていて、それが松永さんの安定感のある声と合わさって素晴らしい響きになっていた。

「Fiesta! Fiesta!」はイントロでの客席の盛り上がりが1番あった。そんなに人気曲だっただろうか。それまでの3グループを見ていて、会場を有無を言わさず一体化させるような盛り上げ曲がJuice=Juiceにはあるだろうかと不安になっていたのだが、そういえばこの曲があった。メキシコ公演から逆輸入されたFiestaコールもまだまだ音量的には小さいものだったけれども、世界が復興しつつある感があった。

最後のMCからの「MoL」はイントロから感情が昂った。Juice=Juiceのファンは当然昂っていたが、もともと知名度の高い曲のカバーなのもあってか会場全体が盛り上がっていた感じがあった。石山さんはテンションが上がりすぎて誰だったかとぐるぐる回っていた。松永さんも同様で「はぐれちゃった」のところなんか訳のわからないアレンジを加えてセリフっぽく言っていた。そして「どこにいるの」からの「ここだよりさち」コールは本人はイヤモニを外して聞いていた。良かった。本当に良かった。ある意味でここで終演なのだが、ラストパートで袖から3グループが登場し、安本さんが段原さんのフェイクにハモったり合いの手を入れたりと加わっていた。あそこまでのアドリブ力がある人は高木紗友希さん以降なかなかハロー!にはいない。感動的だった。トリとしての説得力のあるJuice=Juiceのパフォーマンスだったと思う。完全に贔屓目だ。

 

2月28日には日本武道館公演も控えている。3ヶ月分の怨念をぶつける素晴らしいパフォーマンスになると思うし、中継を楽しみに見たいと思っているが、また声援のないコンサートに戻るメンバーの気持ちを思うと少し不憫な気持ちにもなる。

 

 

 

*1:植村さんのメロンは(公式には)担当フルーツではなく色。段原さんのオレンジと一緒です。