この世のもの

見たものと考えたこと

つばきファクトリー CONCERT TOUR ~Fomalhaut~ 於NHK大阪ホール

NHK大阪ホール宮本佳林さんのコンサート以来。結構細かく座席のエリアが分かれているが、1階席の前後では真ん中、左寄り。肉眼で表情がわかるのがありがたい距離だった。秋ツアーらしいセットリスト、とはいえ絶対的な持ち曲がそう多くはないので全面的に変わる訳ではない。

セットリスト順に振り返る
  1. 低温火傷  
  2. 雪のプラネタリウム 
  3. 抱きしめられてみたい 
  4. 意識高い乙女のジレンマ 

だいたいハロー!のコンサートは前半はコンセプチュアルで後半は盛り上げるというのが多いように思うけれども、今回もそんな感じだった。 にしても冒頭からメドレーというのは珍しいかもしれない。メドレーはいつ終わってしまうかわからない不安というのがあって、そうでなくてもワンハーフで終わるんじゃないかという不安もあったりはするのだが、それはそれとして良いメドレーだった。秋冬メドレーといった感じだろうか。武道館での台詞メドレーが好評だったのに味を占めたのか、今回も画面に台詞が出ていた。 

衣装が低温火傷衣装のリバイバルだったのは以前灼熱の会議でも出ていた12人分作ってまた着たいというメンバーの要望が叶えられていて、最近そういうことが増えていて嬉しい。リトルキャメリアンがベレー帽を被っている。そういう分け方はもう良いんじゃないかと思わなくもないけれども、もれなく似合っていたので文句を言ってはいけない。真琳さんは髪を巻いて下ろしていて、前髪はセンター分けにしていた。眉がしっかり見えると表情の作り込みがより分かるのが良いところ。河西さんはいつも以上に前髪が決まっていて、存在の非現実味が増していた。 

その冒頭の低温火傷の終盤までは普通だったので、メドレーというよりは繋ぎに工夫があるとも言える。CDとは違うものを聴けるのがコンサートの良さだとしたら、トラックは通常はCD通りなのだからそこが違っているのは見ていて楽しい。 

「雪のプラネタリウム」はもう八木さんの曲のようになっている。今日の八木さんは歌から力が抜けていて、他のメンバーからの流れでも浮かなくなっていた。たぶんハロー!の歌い方に慣れてきたのだと思うし、弱くなっているわけではなく芯の強さはあるので、いよいよ本領を発揮して来ていると感じた。誇張ではなく歌の面ではグループにとって欠くべからざる存在になっていると思う。 

「抱きしめられてみたい」の真琳さんのソロ「画面 光ってる」が今まで聞いた彼女の全てのソロパートの中でも随一に良かった。正解を聴いた気がする。そもそも小片さんのパートは基本的に合っていると思うのだが、ちょっと憂いを帯びた響きを残しつつしっかり通る声だった。真琳さんも八木さんとは違った意味で力の入れ方が変わってきていて、妙な力みが感じられなくなってきたように思う。まだまだ(何様)と思わされるところも多いのだけれど、着実にステップアップしているので今後に期待が大きい。 

「意識高い乙女のジレンマ」は台詞の演出から始まり、おそらくビートが足されていてダンサブルな感じだった。ちょっと歌が聞こえにくくなっていた気もするが。 

どの曲か記憶が曖昧なのだが、トラックのアレンジと共に、コーラスワークが加わっていた。12人もいるから色々できる。コンサート序盤で結構色々と感動してしまった。ハモりとかも含めてハロー!でこれまでなかなかやられて来なかったことが、個々のディレクターの判断なのかなされるようになって来ていることに単純にわくわくする。 

  1. 弱さじゃないよ、恋は 
  2. 約束・連絡・記念日 
  3. ふわり、恋時計 
  4. 光のカーテン 

ちょうど一年前くらいに初披露されていた「約束・連絡・記念日」などを聴くとリトルキャメリアンの成長がよく分かる。音源の再現がしっかり出来た上で表現が足されているように思う。河西さんがじわじわと安定感を増していて、声のトーンがよりクリアになった。ソロパートごとに世界が生み出されているような感じで、余裕が出てきたのか表情から必死さとか緊張感とかがなくなり、曲に応じた笑顔になってきたのが見ていて嬉しい。 

  1. 愛は今、愛を求めてる/山岸・新沼・小野・八木 
  2. 恋のUFOキャッチャー/岸本・小野田・河西・豫風 
  3. I Need You ~夜空の観覧車~/谷本・浅倉・秋山・福田 

ユニット曲があった。4人×3組で灼熱とは違ってどういう分け方なのかはわからない。キャリアがだいたいまんべんなく配されている感じ。 

「愛は今、愛を求めてる」では八木さんの歌が多めに聴けた。担当したパートの中で緩急がつけられるので、長めな方が合っているように思う。 

  • VTR

衣装替えの合間に挟まれたVTRは夜の川縁とか街とかでメンバー1人1人が「あなたのフォーマルハウトは何?」という少々謎な質問に答えるというものだった。衣装はグッズ衣装?ちょっとわからないけれどもみなさん綺麗だったし、白い服を着てすました真琳さんは当然素晴らしい仕上がりだった。山岸さんの「みんなを見守る星(大意)」みたいな答えが中でも光っていた。 

  1. 気高く咲き誇れ! 
  2. 今夜だけ浮かれたかった 
  3. 三回目のデート神話 
  4. マサユメ 
  5. アドレナリン・ダメ 
  6. 涙のヒロイン降板劇 
  7. 断捨ISM 
  8. 初恋サンライズ 

「気高く咲き誇れ!」はインディーズシングルでこれは私も当時買ったし思い出もそれなりにある曲なのだが、その12人バージョンが初披露だった。当たり前だが研修生発表会で何度か目にしていたものとは全く違ったものになっていた。12人のユニゾンというのはやはり迫力がある。Aメロの独特なリズムとか、サビの力強いソロとか、当時再現しきれなかった制作者側の意図が数年の時を経て目の前にあるのだと感じてなかなか感動的なものだった。 

ここのブロックは8曲連続して演じられていて、メンバーも大変そうだし見る私も(結構前半から集中して見ていたせいか体調か)疲れた。よく見たら4曲連続で「児玉雨子詞・中島卓偉曲」のコーナーになっていて、「盛り上がる曲」とか雑にまとめてしまって申し訳なかった。「涙のヒロイン降板劇」でちょっとほっとしたくらいに卓偉曲のカロリーは高い。 

「マサユメ」(たしか)の曲始まりにまさかの真琳さん煽りがあった。「まだまだ行くよ」だったか。声出し可であれば盛り上がっていたことだろうし、真琳さんに言われたらメンバーも客も従わざるを得ないと思うので、今後はより冷酷な煽りを期待したい。佳林さんみたいにその後しっとりした曲になったりはしなかった。 

「涙のヒロイン降板劇」の冒頭にダンスパートがあったり、同曲の終わりと「断捨ISM」の繋ぎもMIXになったりとこちらでも工夫があった。曲終わりの締まりの悪さも感じなくもなかったが、曲調そのものは結構違う中でセットリストをうまく繋いでいたかもしれない。 

「初恋サンライズ」の浅倉さんの台詞が今日は結構な笑顔で、これは爽やかさの表現なのか狂気の演出なのかちょっと判断つかないところもあったが、何か最終回が近づいているという感じはあった。浅倉さんは髪を切ったのだが、茶髪で短めの人は多くないし本人の個性にも合っている、気がする。 

  • MC 
  1. 最上級Story 

MCでのリトルキャメリアンたちの定番は変わっていないらしく、八木さんはミュージカル調に今日も歌い上げていた。夏が去った的なことを歌って(出典不明)、秋が来て涼しくなったと。谷本さんに変な顔をされて、河西さんも何かされた(Blogに書くとのこと)。河西さんと豫風さんの座右の銘は七転び八起き。真琳さんは心温まることが2つあって、家族と電話したこととみなさんに会えたこと。こんにちワラビーもやってました。浅倉さんは「気高く咲き誇れ!」がフルコーラスだったので終盤にある岸本さんとのパートが歌えて良かったとおっしゃっていた。 

そして最後の「最上級Story」での山岸さんが美しかった。この曲は山岸さんの曲だったのか。歌声のかわいさと美しさのバランスが絶妙なのと、割と文字数の多い歌詞の滑舌というか発音というかがクリアなので耳に自然に入ってくる。今日の発見といえばこれかもしれない。 

その他

リトルキャメリアンの声が聞こえやすくなってきている。2人パートはたとえば「涙のヒロイン降板劇」などでも色々あるのだが、以前は割と先輩と組むと先輩メンバーの声の方が目立っていたところ今日はそれぞれの声の組み合わせがちゃんと楽しめた。2人パート好きとしては組み合わせとして聞こえてくるのが嬉しい。八木さんは3人4人になっても際立った声ですぐわかるし、真琳さんは相手の声の下に潜り込むような響きの深さがあるのでとても聴き心地が良い。 

真琳さんのマイクさばきはなかなか格好良くて左右の手の受け渡しとか歌ったあとの持ち替えとか佐藤優樹さんファンがよく指摘しているような見応えがある。*1

前半のメドレーなどはなかなか他のステージでは見られなそうなのだが、これは映像化はされないのだろうか。今年のリリースを見ると武道館公演しか映像化されていないので、されないかもしれないがそれは勿体ない。また見たい。

帰路、晴れていたので真面目にフォーマルハウトを探してみた。 惑星に比べるとだいぶ暗いが住宅地でもなんとか確認できる。周りに明るい星がないので、一度覚えれば結構見つけやすそうだ。

 

 

*1:翌日のコンサートでマイクを落としてしまったようなので、今後はもう少し慎重な動かし方になるかも