この世のもの

見たものと考えたこと

「妻、小学生になる」第7話

観るとそれなりに感想が生まれるもので、それを書きたいと思う。

妻、実家に帰る。その前に決心につながる母娘の対話があり、夜中にミルク飲んでる真理華=貴恵と酒を飲む白石母の構図が非常に面白かった。難しい親との関係を持ったという点での共感から、友情に近いようなものが生まれていた。

久しぶりに親類に会った貴恵の表現が素晴らしかった。正月とか親戚の家に行くとああいうおばさんがいたのを思い出しつつ、それを毎田が演じているのが改めてすごい。

色々と屈折した感情を抱えた母は認知症を患っており、娘が分からない。いや、分からないのは当たり前で知らない子どもの姿なのだ。それでも貴恵がショックを受けているのは眼光が消えていたからだと思う。魂が抜けてしまっている老人と魂が入ってしまっている子どもという対比が面白かった。観ている最中は、母が娘の生まれ変わりと見抜くような感じの流れを想像していたのだが、そんなにわかりやすい展開ではなかった。

終盤、相変わらず毒気の抜けた母が貴恵にかけたわりと抽象的な言葉が心を揺さぶるという、そのセリフがよくできている!と感心しつつ泣いた。