この世のもの

見たものと考えたこと

アンドレアス・グルスキー展 於国立新美術館

作品を見るのはたぶん初めてだ。圧力と説得力のある大きさ。具体的なものから絵画性を生み出す。題材や構図の選定、ものを減らしたり、形を修正したりという操作。抽象絵画のようだったり図表のようだったりする。強固だけれど意図が明快に現れていて親しみやすさがある。

初期作品も最新作も絵画的だけれど質感がだいぶ違う。昔のは全体に柔らかい手触りのようなものがあって紙に描いたような感じ。今のは不自然なほどシャープでCGのような質感。理想の現れ方の変化だろうか。デジタル処理された画像は写真なのか絵画なのかもよくわからない。