この世のもの

見たものと考えたこと

心理学入門一歩手前

一歩手前には哲学があった。一読では把握しきれなかったけれど、大学の講義をまとめただけあって概要がよくまとめられている。以下、今後の学習に重要と思った点。

  • 統計学。心理学においては、少数のデータから人間一般についての仮説を立てるための推測統計学が重要。
  • 認識主体の話。特に身体について。右手を見たとき、右手で触った時など、主観と客観のどちらに属するのか。自分の身体はその両者の世界を行き来している。
  • 認知システム。は身体からの情報を集約することで外界の鏡像を再構築する、のではなく、身体の各部位とその運動に対応したそれぞれの空間系を別個に構成している。
  • ギブソンの心理学。存在の道具性は存在の事物性に先立つ。心は体の基盤の上に初めて立ち現れる。
  • 仏教の心観。自我や自分というものはそれ自体が存在するのではなく、流れ行く何者かを人間が近くし固定化して命名した概念であり、実体ではない。

 

心理学入門一歩手前―「心の科学」のパラドックス

心理学入門一歩手前―「心の科学」のパラドックス