この世のもの

見たものと考えたこと

「認知バイアス事典」からアイドル嗜好について考える

『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』(フォレスト出版)を読んだところ身につまされる部分があったのでちょっと考えてみたい。ちなみに全て「社会心理学的アプローチ」の冒頭部分に集中している。 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 …

「氏名の誕生」尾脇秀和著

江戸時代から現代に至る名前の変化。 ぼんやりと、武家は長くて幾つも名前があって、庶民は苗字もなくて名前だけあったというイメージがあり、その状態からどうやって現代のシンプルな「氏」「名」に至ったのか、という疑問を持っていたのだが、世の中の苗字…

『「夜と霧」ビクトール・フランクルの言葉』諸富祥彦著

大切なのは、あなたの心のなかに潜んでいるものではなくて、未来であなたを待っているものなのです。 自分自身について考えないでください。 あなたが創造しなければならない作品、まだ生まれていない作品に目を向けてください。あなたがどんな人かは、あな…

『カステラ』パク・ミュンギュ著

人間は結局独りであるという事実と、人間が一人で生きていけるわけはないという事実を同時に、身にしみて実感した。矛盾するようだが、僕は今もそう信じている。つまり、人間は往々にして、世の中に一人で生きていないからこそ、独りぼっちなのだ。 人は1人…

思うところが多い

考えがまとまらないうちに忙しくなってきた。 通院も1年以上となり、日常生活には問題がない。 でも根本的な問題が解決していない、もしくは本質的な問題点が改善していない、のを感じる。 思考の癖が治らないままだ、本に倣って試してみても、傾向が保持さ…

友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学 ロビン・ダンバー著

エッセイなので、かなり踏み込んだ意見を書いている。むしろちょっと雑に見える所も多いし、10年前くらいの文章なので既に覆されている説や修正されているデータもある。 ダンバー数云々については数としての自分の実感と全然合わないので(高校生活までは合…

心理学入門一歩手前

一歩手前には哲学があった。一読では把握しきれなかったけれど、大学の講義をまとめただけあって概要がよくまとめられている。以下、今後の学習に重要と思った点。 統計学。心理学においては、少数のデータから人間一般についての仮説を立てるための推測統計…

『性淘汰―ヒトは動物の性から何を学べるのか」マーリーン・ズック著

進化についての本をよく読む近頃なのだけれど、その中で疑問に思っていたことが多く問題として提起されている本だった。 すぐに結論に飛びつこうとする態度を戒め、わからないことはわからないというところまで引き戻す作業が行われている。 通底している主…

『単純な脳、複雑な「私」』池谷裕二

十年くらい前の本だが、そもそも知識のない分野なので楽しく読めた。他の本にも引用されている実験も多かった。 高校生が聴講生となる講座なのだが、とにかく彼らが聡明で驚かされる。 自由意志の知覚について 自分のとった行動を観察して、思い通りであった…

『生きづらさはどこから来るか』石川幹人著

進化心理学で考えるというタイトルで、その説明ももちろんあるのだが、推奨される物事への姿勢は非常に穏当であった。 職業の選択 内にこもって「自分らしさ」を発見しようとしても、狩猟採集時代にふさわしい自分しか見つからない。現代社会での職業選択に…

大人のための「困った感情」のトリセツ

自分なりの要約 * 怒り→何かが上手く行っていない、ずれがある→困っている* 不安→安全が確保されていない* 不機嫌→今は本来の自分ではない* 悲しみ→何かを失った* 悔しさ①→あったかもしれない可能性を失った* 悔しさ②→自分の尊厳を傷つけられた* 罪悪感→自己…