この世のもの

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COVERS -One on One- ほたる祭りの日 佐藤優樹 x 宮本佳林 (ジュリン)


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YouTubeを開いてこのサムネイルを見たときは夢かと思った。よくよく考えればどちらもM-line所属なのだから全然おかしくない展開なのだが、そして期待もしていたのだが、なぜか現実になるとは思っていなかったのがこの「COVER(自分達の歌だからセルフカバー?)」だった。

ジュリンは、SATOYAMA movementのユニットだ。何かというのをウェブサイトで見ると、

「SATOYAMA movement」とは、人々の暮らしを支える生活環境と自然とのバランスを保つために必要な「里山」の存在意義や価値観を再確認しつつ、そこに人が集う美しいライフスタイルを提案する活動です。

そのあとSATOUMI(里海)も加わりつつ、上記に関連していろいろイベントをやっているのだが、ひなフェスに合わせて会場を隣接したところにして、メンバー(とは限らないか、アップフロントにいる人々)がステージでトークショーをやったり研修生が売り子をやったりしているものの印象が強い。私は初めて行ったハロー!のライブが2013年のひなフェス初回だったのだが、その時隣でやっていたのがSATOYAMAイベントのこちらも初回だった。右も左も分からない状態だったので、無料にも関わらず入らなかった。もしかしたらもう閉まっていたのかも。

イベントとは別に初期(2012〜14,17)には楽曲があって、シャッフルユニットが曲ごとに作られ、イベントやハロコンで披露されていた。だいたい一度きりのユニットなので、ほとんどは持ち曲が1、2曲しかない。今はハロー!プロジェクトも多様な作家陣が制作していて一貫した特色もないけれども、当時はつんく曲しかなかったので、SATOYAMAの曲は(メインライターは角田崇徳氏)かなり異物感があった。コンセプトがコンセプトなので、なんとも薄味な歌詞と曲調で、メンバーもまともに認識できていないうちは真っ向から受け止めるのは結構つらいものがあったが、個々の歌声の特徴とかが分かってくると、組み合わせの面白さもあって楽しかった記憶がある。Juice=Juiceのみなさんは別々にSATOYAMA曲に参加していて、佳林さんが2013年に佐藤優樹さん(SATOYAMA曲参加多数)と結成したのがジュリン(アクセントは樹林)だった。「ほたる祭りの日」はCDシングルではなくDVDシングルで、YouTubeより画質の劣るものを購入するということをした。メイキングがあったからいいのだが。ハロコンでは2013年8月に生で見ることができた記録がある。本当に、ちょうど9年前だ。ロマンスの途中も披露していた時期で、まだ歩いていた頃だったと思う。そのあと骨折が発覚して歩いていないので、今売られているBlu-rayでは座って歌っているのかなと思うのだが、見たら居た堪れなくなりそうで買えていないので分からない。

ハロドリ。源流の番組の一つで「ハロー!SATOYAMAライフ」という番組もあってこれはハロー!のメンバーが里山でいろいろ体験するのを流していた。今はDVDやYouTubeで単発でやっているような感じのことを毎週放送していて、糸を紡いだり大根を抜いたりしていたようなぼんやりとした記憶がある。この番組でも歌唱映像があったかもしれない。どこかに録ったのがありそうなのだが行方不明。

歌詞としてはなごり雪とか木綿のハンカチーフみたいな都会に出る人を送る田舎の人の歌で、歌ってる当時の2人にはちょっと上の、今の2人にはもしかしたら少し下の年齢の主人公のイメージかと思う。そんなに聴き返してこなかったのだけれど、改めて原曲を聴くと佳林さんの歌唱の完成度が高くて驚かされる。当時はまだ中学3年生の14歳だったけれども、コピンクではすでに確立されていた宮本佳林の歌唱が熟成されていて、今デビューしている新メンバーもすごいなと思うけれどもそれとも別世界な感じがする。ソロとしての歌唱をたくさん楽しめる今と違って、当時はJuice=Juiceでの細切れな歌割でしか佳林さんの歌を聴く機会はなかったので、貴重な長いフレーズを歌う場面だったし、落ち着いた曲調もまたJuice=Juiceには当時なかったものだった。

今回の動画でも(2人とも)9年前と同じ世界観、路線で歌っている。比べてみると佳林さんの歌はより解像度というか情報量を増していて、歌い方が大きく変わらなくてもそこにこめている感情がしっかりと歌詞を反映しているように変化していると思う。テクニックが厚みを持っているというか。あとは単純に伸ばす音がクリアになって、ふらつかなくなったので歌い終わりまでにもう一段世界の広がりがある。
レコーディング映像なので(今回は一発録りとは明記されていないが)、振り付けはないのだけれでも、2人が見合わせる振り付けのところが歌いながらも再現されているのはベテランの余裕を感じるし、時間の流れを感じた。

M-line Musicではオフショットもある。相変わらず噛み合っているような噛み合っていないような2人だ。

 


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