この世のもの

見たものと考えたこと

Juice=Juice「プラスティック・ラブ」

金澤さん卒業のタイミングが早まったことにより、発売日にはグループにいないという変則的な形になってしまったが、ともあれ金澤さんのラストシングルであり、今年加入の新メンバーにとっては初のシングル。脱退加入が相次いでいるので、シングルの度にメンバーが違うのが今のJuice=Juiceだ。その中でも当初は曲名が明かされず、しかし最初にMVが公開されたのが本曲である。見どころ、聞きどころが多く感想を書きたくなったので書く。


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新メンバーの歌が良い

個人歌唱動画で印象に残ったのはやはりつばきファクトリーのとくにオーディション組なので、Juice=Juiceの3人はまだまだ荒削りだけど魅力的だよね、くらいの評価にまとまっていたように思うのだけれど、プラスティック・ラブでは1番からすんなりと既存メンバーに溶け込んで歌割を担当している。無理にフィーチャーしたという訳でなく適材適所の結果としてそこにあるような感じがして面白い。江端さんの声は里愛さんよりややハスキー寄りで、落ち着いて歌うと船木さんまで行かなくても大人っぽさが出ている。そこからすっかり貫禄をまとった由愛さんを挟んで入江さん。入江さんの声も魅力が発揮されている。コンサートでも思ったが、ちょっとざらつきのある透明感というなかなか得難い声だと思う。一華氏はもう少しアイドル風味が強く、80年代感が醸し出される。I'm sorry、と英語パートをしっかり手に入れているので、Future Smileのバイオリンとあわせて特技を発揮しているシングルだ。Juice=Juiceの歌声について言及する際には菅井さんの名前が出されがちだが、たいせいさんのディレクションも相当メンバーの力を引き上げているんだろうなと、アプカミなど見ても思うことしきりである。

10人になって、声質がより色彩豊かに

Juice=Juiceと言えばソロパートを繋いでいくときの声質の変化、その順列組み合わせも含めて、が楽しいと思っていて、この曲もそのバリエーションが増えたし、間を埋めるように新メンバーが入ってきたのだなと思わされる。稲場さんが頑張って格好いい歌い方をしなくても良くなって、むしろアイドルっぽさで目を覚まさせてくれるのも嬉しい。一人一人の歌割が少なくなった一方、里愛さんの「孤独な友達」のように重鎮感があるソロパートを持って来られるという強みもある。それにしても、ゆめりあいの歌の成長は著しく、今さっき好きって言ってよのMVを見直したら隔世の感があった。
井上→段原→松永とクールな声が続いた後に植村さんが来ると柔らかみがあっていいなとか、まなるるの組み合わせは深いなあとか考えるのが楽しい。

最後のダンスシーンで泣く

オリジナルには無い終盤のフェイクパートがDOWN TOWNに引き続きあるのだが、完成度が高くなっている。というかよりエモーショナルになっている。植村→段原→金澤→井上→松永。金澤さんはVAVA VOOMでやっているようなハイトーンが素晴らしいし、里愛さんの締めがほんとに軽くこなしてる感じで頼もしい。そしてフェイドアウトではなく、10人が"I'm just playing the games"と囁いて終わるのがまた最高だ。MVではこのラストのパートでようやく10人が一同に会して歌うい、踊る、その姿だけでも泣けるのにそこにハーモニーとフェイクが押し寄せてくるので初見の際は泣いてしまった。これはライブではなくビデオ独特の感動だと思う、なにしろライブで見たら最初からみんな踊りまくっていた。それはそれで良かったが。

MVの小道具が謎

80年代の曲だから80年代調かといえばそういうこともなく、3:4の画面の質感とかはまあそうなんだろうけれども、Bluetoothイヤホン、公衆電話、CD、ハンディカム(たぶん2000年発売のDCR-PC5という機種)、iPod Classicと小道具の時代がバラバラで、何を演出したいのかが謎。それぞれの時代に生きていた人々が時空を超えて集っているのかなぁ。

横顔が美しい

やたらとメンバーを横から写しているシーンが多く、それぞれの魅力が味わえる有難いビデオだ。特に段原さん!髪の長さがJuice=Juice加入当時くらいに短くなっていて、より変化が際立ったようにも思う。大人っぽいし、濡髪が色っぽいし、そして横顔が美しい。鼻筋が通っているのと、唇の少し尖ったところが好きです。あと顎の形も好きです。斜めからの角度もいいな。あと江端さん、小鳥みたいですよね。存在が。あと鼻が綺麗な三角形なんですよ。それでサンドイッチをコンビニ前で食べてるんですよ。なんなんでしょうね。